アルブミン(ALB)とはなに?合成や5つの重要な役割についてまとめてみた

1.アルブミン(ALB)とは

アルブミンとは、タンパク質の一種です。

ちなみに、血液中には100種類以上もの様々なタンパク質が含まれていますが、血液中の60~70%をアルブミンが占めています。

残りの30~40%はグロブリンが占めています。

血清タンパク質は、電気泳動によりアルブミン分画とグロブリン分画の大きく2つのグループに分けることができます。
上の表は、血清タンパク質を電気泳動により分類し、まとめたものになります。

血液成分であるタンパク質の種類について【電気泳動による血清タンパク分画による分類】

2018年12月28日

2.アルブミンの構造

アルブミンは、20種類すべてのアミノ酸が約600個つながった分子量約66,000の比較的小さなタンパク質です。

補足
私たちの身体のなかには10万種以上のタンパク質がありますが、それらはわずか20種類のアミノ酸の組み合わせによって構成されています。

3.アルブミンの合成と分解

アルブミンは主に肝臓で合成されます。

健康な成人の場合、アミノ酸を原料として肝臓で一日に6g~12gが合成されており、そのあと血液中に分泌されます。

アルブミンは、14~18日間(半減期)体内で働いた後、筋肉や皮膚、肝臓、腎臓などにおいて分解され、アミノ酸として再利用されます。

4.アルブミンの体内量と分布

アルブミンの体内量と分布
  • アルブミンの体内量は4~5g/kg
  • 体内にあるアルブミンのうち、約40%は血管内、約60%は血管外に存在

アルブミンは、体重1kgあたり4~5gが体内に貯蔵されています。
(体重60kgの成人では、240~300gのアルブミンが存在することになります。)

このうち、約40%が血管内に、残り60%が血管外(細胞や組織間液中)に分布しています。

血管内と血管外のアルブミンは相互に交換しながら、私たちの血中のアルブミン濃度を一定の範囲に保っています。

例えば、血中のアルブミンが減少した際には、血管外からアルブミンが血中に移動し、血中アルブミン濃度は維持されます。

5.血中のアルブミンの役割

アルブミンでもっとも重要な役割は、血液の浸透圧の維持です。
(→簡単にいえば、血管内に水分を保持する働きのことです。)

ですので、血中のアルブミンが低下すれば、浮腫、お腹や肺に水が溜まります。

その他のアルブミンの役割としては、以下のものがあります。

アルブミンの役割
  1. 血管内の浸透圧の維持(血漿膠質浸透圧の維持)
  2. 物質の運搬
  3. 毒素の中和
  4. 体内組織へのアミノ酸の供給

5.1.血管内の浸透圧の維持(血漿膠質浸透圧の維持)

先ほどもいいましたように、アルブミンの最も重要な役割は、血液の浸透圧の維持です(血漿膠質浸透圧の維持)。

アルブミンは、血液の全膠質浸透圧の75~80%を担っており、血管内の水分を保持する(1gのアルブミンは約20mLの水分を保持する)ことにより循環血液量を調節しています。

もし仮に、血中のアルブミンが低下した場合、血液は一定の浸透圧を維持するために、血管外に水分が漏れ出し、浮腫や腹水の原因となります。

補足
臨床の場でアルブミン製剤はいろいろな病態に適応されますが、それはアルブミンの浸透圧作用に基づくものです。

5.2.物質の運搬

アルブミンは分子量が大きいため、分子のサイズも大きいです。

そのため、アルブミンは腎臓において濾過されて尿として排泄されることがありません。

また、アルブミンは色んな物質と結合しやすいタンパク質です。

こういった性質をもつため、アルブミンは物質の運搬としての役割を担っています。

つまり、アルブミンにさまざまな物質が結合することで、腎臓から尿として排泄されることもありませんし、水に溶けない物質も血中の中を安定して移動することができるようになるということです。

そうして目的の場所へ物質を運搬することができます。

以下に、アルブミンと結合する物質の一例を示します。

アルブミンが運搬する物質
  • 脂肪酸
  • カルシウム、亜鉛、銅などの微量元素
  • ホルモン
  • 薬物
  • 代謝産物
補足
脂肪酸は水に溶けません。
もし仮に、水に溶けない脂肪酸を無理やり血中に放出したら、あたりかまわず周囲の細胞の膜に結合し、細胞膜の構造を壊してしまいます。
それではまずいので、脂肪酸はアルブミンと結合してから目的の場所まで運ばれます。
補足
アルブミンは多くの薬と結合します。その結合の割合は薬により違いますが、アルブミンとして結合した薬は、薬としての作用が一時止まります。
ですので、血中のアルブミンが少ないと、アルブミンと結合する薬が減り、その分だけ薬の作用が強くあらわれます。

5.3.毒素の中和

アルブミンは物質と結合して運搬するだけでなく、毒素などと結合して中和する作用もあります。

5.4.体内組織へのアミノ酸の供給

アルブミンは、体内器官や組織にアミノ酸を供給します。

 

というわけで今回は以上です。

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