花粉症の薬を辞めたほうがいい理由-ただの気休めで副作用があるだけ-

こんにちは、みなさん。現役医療従事者のトッティ(@totthi1991)です。

『花粉症対策』

みなさんは、どうされていますか?

 

メジャーな花粉症対策として、

外出を控える、メガネ・マスクなどを着用、部屋の中に花粉をもちこまない(玄関に入る前にしっかりと服についた花粉をはらう)、こまめに洗顔やうがいをする

などがありますよね。

最近では鼻をうがいするものや目や口元に塗るだけで花粉をブロックできるものなど、バラエティーに富んでいます。

その中でもやっぱり一番頼りになるのは、『薬』だと思います。

もうすでに飲んでいる方も多いんじゃないでしょうか。

やっぱり薬ということで一つ気になることが・・・

それは、『薬の副作用』ってどうなの?

眠気や集中力の低下などの副作用が結構強く出てしまう人もいて、できれば使いたくないですよね。

今回の記事では、花粉症の薬が、どういうメカニズムで効いているのか、そしてどうして副作用が起きてしまうのか、その理由をわかりやすくまとめてみました。

ぜひ最後までご覧ください。

1.花粉症発生のメカニズム

花粉症発生のメカニズムはこちらの記事で詳しく説明しています
>>>花粉症で鼻水が出る理由とその役割を分かりやすく説明してみた

簡単に説明すると、花粉は鼻の粘膜に付着すると、そこにいるマスト細胞(肥満細胞)の表面にあるIgE抗体と結合し、これが刺激となってマスト細胞(肥満細胞)の中から炎症を促進するヒスタミンという物質が大量に放出されます。

このヒスタミンが、鼻水、鼻詰まりやくしゃみの症状を引き起こしています。

 

2.花粉症の症状は、①IgE抗体 ②マスト細胞(肥満細胞)そして③ヒスタミンが関係してる

主に花粉症の症状(くしゃみ、鼻づまり、目がかゆいなど)に関わっているのは、

  1. IgE抗体
  2. マスト細胞(肥満細胞)
  3. ヒスタミン

この3つです。

とくにヒスタミンの効果が重要でして、

  1. 毛細血管を拡張させて血流量を増やします
    ⇒このことにより鼻が赤く腫れてしまいます(専門的には発赤といいます)
  2. 毛細血管の血管透過性が上がり、血管内から血管外の組織に血漿成分がしみ出します

これらのために、毛細血管から周囲の組織へと血漿成分が漏れ出しやすくなります。その結果、鼻が浮腫んでしまい鼻が詰まってしまうというわけです。

このような反応を炎症反応といい、ヒスタミンによって引き起こされています。

炎症反応を起こす理由は主に以下の2つがあります。

  1. 病原体を身体から排除するために、白血球などの免疫系の物質を問題のある組織に届けること
  2. 白血球などの免疫系の物質によって、病原体だけでなく正常な組織まで破壊されてしまうので、その修復のための物質を届けること

 

3.花粉症の薬は免疫機能意図的に操作する

じゃあ花粉症の場合はどうでしょう。

花粉は病原体でもなんでもないですよね?本来であれば私たちの身体にとって無害なので、免疫反応を起こす必要はありません。

しかし、私たちの身体の免疫機能そのものにトラブルがある場合、花粉に対して過剰に免疫反応を起こしてしまいます。この場合を、アレルギーといいます。

つまり、この花粉に対する免疫反応は誤作動ともいえます。

例えるなら、人間にもメンタルの強い人、弱い人がいますよね。メンタルの強い人は、人から悪口とかなにいわれてもへっちゃらですぐに忘れてしまいます。しかしメンタルの弱い人は、ささいなことで悩んだり、深く傷ついてしまいますよね。

人から同じことを言われても、へっちゃらって人もいれば、凄く傷つきやすい人がいるように、花粉に対しても過剰に反応してしまう人がいるということです。

解決策としてメンタルを強く(花粉のはなしでいえば、免疫機能を正常化)すればいいんです。

少し話がずれてしまいましたが、

花粉症の薬は、免疫の異常に対して、蓋をしているだけです。(後に詳しく説明します)

けっして治しているわけではありません。それが対症療法といわれているゆえんです。

治すのであれば、免疫の異常そのものをどうにかしないといけません。

 

4.実際に花粉症に薬が効くメカニズム

花粉症の薬の種類は大きく3つあります。

  1. 抗ヒスタミン
  2. 抗アレルギー
  3. ステロイド

4-1.抗ヒスタミン剤

ヒスタミンとは、花粉が鼻の粘膜などから体内に侵入してきたときに、肥満細胞(マスト細胞)から放出されるものです。このヒスタミンがくしゃみや鼻水などの原因になります。

抗ヒスタミン剤は、このヒスタミンが受容体と結合するのを防ぎます。

受容体とは、細胞に存在していて、特定の物質(ヒスタミンなど)と結合することで、細胞に情報を伝え、反応を起こすもののことです。

抗ヒスタミン剤は、ヒスタミンが受容体と結合して花粉の症状を起こす前に、受容体の結合部分をふさいでしまうことで、アレルギー反応が起きるのを防いでいます。

4-2.抗アレルギー剤

抗アレルギー剤は、花粉によって刺激をうけた肥満細胞(マスト細胞)からヒスタミンが分泌されるのを抑えます。

ヒスタミンの分泌そのものを抑えているので、抗アレルギー剤は、抗ヒスタミン剤よりも、さらに上流で、より幅広くアレルギー反応をブロックする作用があります。

現在の花粉症の薬は、この抗アレルギー作用をあわせもつ、第2世代の抗ヒスタミン剤といわれているものです。第1世代とくらべて、眠気や倦怠感などの副作用が出にくいといわれています。

4-3.ステロイド剤

ステロイド剤は、本来、体内の副腎皮質で分泌されるステロイドというホルモンを人工的につくりだした薬剤です。

ステロイド剤の効果として、ヒスタミンによって引き起こされた粘膜の炎症反応を抑える作用があります。また、免疫系全般の作用を弱めて、アレルギー反応を抑える作用もあります。

ステロイドには強い効き目がありますが、その分副作用も強いです。

 

5.薬はただの対症療法で、脳にも作用しているから副作用がでてくる

3種類の薬を紹介させていただきました。

ご覧いただいたとおり、そのどれもが意図的に免疫反応を抑制しているだけの対症療法です。根本的な問題である免疫のトラブルに対しては一切治療しません。

だから花粉の時期になると毎年薬を飲み続けなけらばいけないんです。

医者はこの薬が効きますよといって、患者さんに渡しますが、花粉症が治るとは一言もいっていませんよね?

そして薬は、花粉症の症状を抑えるという目的だけに効果があればいいんですが、説明したように免疫反応全般にわたって広く効果が出てしまいます。

また、ヒスタミンは脳内で神経伝達物質として機能しているので、集中力や判断力、覚醒の維持に関わっています。そこに抗ヒスタミン剤が身体に入るわけですから、脳内のヒスタミンの働きも同時に妨げられてしまい、いろんな副作用が出てしまっています。

また、ステロイドは身体でもつくられているホルモンです。

効果は、炎症をおさえるだけでなく、ストレスがかかったときに脳や身体が適切に対抗できるよう身体を調節する抗ストレス作用や、血糖値が下がったときにアミノ酸からぶどう糖をつくる糖新生を促進する作用もあります。ほかにも、たんぱく質や脂質の代謝に関わるなど、私たちの身体にとって大事なホルモンです。

薬でステロイドを外から補充していると、身体は十分なステロイドがあると勘違いして、自分でステロイドをつくる力が衰えてしまいます。

それを外からドバドバと体内に補充していたらどうなるかは容易に想像がつきますよね。

 

まとめ

花粉症はアレルギー疾患です。 つまり、本来は無害な花粉に対して攻撃を仕掛けて炎症を引き起こしている病気です。 そうだとしたならば、大事なことは、免疫機能を正常化するように生活習慣を見直すことです。

アレルギーによって、ヒスタミンなどの炎症を起こさせる物質が分泌されて、鼻水や鼻づまり、くしゃみといった症状がでます。

花粉症の薬はこのヒスタミンの働きを妨害したり、おおもとの免疫機能が起こりにくくしたりすることによって、花粉症の症状を抑えているだけの対症療法です。

そしてヒスタミンは脳内で神経伝達物質としても機能しているので、薬の副作用によって集中力や判断力、眠気などの副作用も起きてしまいます。

また効き目の強いステロイドは、その分副作用もつよいです。

それでは今回は以上です。

 

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