【検査】採血項目のBUN(血中尿素窒素)とはなに?わかりやすく解説してみた

「採血項目にあるBUNって腎機能がわかるみたいだけど、BUNってそもそもなに?」

本記事では、どこよりもわかりやすくBUN(血中尿素窒素)について説明します。

1.BUN(血中尿素窒素:blood urea nitrogen)とは

BUN(blood urea nitrofen)とは

BUN(血中尿素窒素)とは、尿素のなかに含まれている窒素量のことです。

名前のとおり、BUN(血中尿素窒素)とは血中の尿素の中に含まれている窒素量のことです。

尿素とBUN(血中尿素窒素)は別物ですので注意してください。

ちなみに尿素窒素の窒素は、ほとんどがタンパク質由来です。

尿素とBUN(血中尿素窒素)
  1. 尿素 → H2NCONH2という分子式で、分子量は60です。
  2. 尿素窒素 → N2という分子式で 分子量は28です。
補足
尿素1分子は、窒素原子を2つ含んでおり、1molの尿素=60gは、尿素窒素28gに相当します。

1.1.尿素についての簡単な説明

尿素はH2NCONH2という分子式を持った化合物です。

医学的にはアンモニアの無毒化という重要な役割を果たした結果できた産物です。

尿素のつくられ方
  1. 不要なタンパク質
    ↓(分解)
  2. アミノ酸
    ↓(脱アミノ)
  3. アンモニア
    ↓(尿素サイクル)
  4. 尿素

不要なタンパク質はアミノ酸に分解されます。
アミノ酸は脱アミノによって、二酸化炭素(CO2)とアンモニア(NH3)になります。
アンモニアは毒性が強いため、主として肝臓の尿素サイクルによって尿素に変換されます。

つくられた尿素はすべて腎臓から排泄されます。

ですので、腎機能の低下に伴い、血中に尿素がたまります。

しかし、臨床検査として尿素を測定することはなく、尿素のなかに含まれている窒素の量であるBUN(血中尿素窒素)を測定します。

ですので、腎機能が低下すると、BUN(血中尿素窒素)は上昇します。

ただし、BUN(血中尿素窒素)は、後述しますがさまざまな要因によっても上昇するので、BUNが上昇したからといって腎機能が低下したとは即断できません。

1.2.尿素ではなく、尿素に含まれる窒素量を測定する理由

尿素は、体内の老廃物の代表格です。

しかし、臨床検査では尿素そのものではなく、尿素に含まれる窒素量が測定されています。

この理由は、以前はアンモニア窒素として尿素を測定していたためです。

尿素のつくられ方
  1. タンパク質
    ↓(分解)
  2. アミノ酸
    ↓(脱アミノ化)
  3. アンモニア
    ↓(尿素サイクル)
  4. 尿素
そもそも、生物にとっては「不要な窒素原子Nを処理すること」が重要であり、尿素というのはその一つの「手段」にすぎません。

ですので、血中濃度を表現するときに「窒素原子N」に着目するのが習慣となっています。

補足
摂取したタンパク質や体を構成しているタンパク質は、役割を終えるとアミノ酸に分解され、脱アミノによりアンモニアがつくられます。
アンモニアはさらに、肝臓で尿素に変えられます(アンモニアは有害であるため)。
尿素は分子量60の低分子量物質であるため、腎臓の糸球体で濾過されて、尿として排泄されます。

1.3.尿素濃度の計算方法【BUNから算出可】

尿素濃度は、以下の計算式により算出可能です。

尿素濃度の計算方法

尿素濃度(mg/dl) = BUN(血中尿素窒素) × 60/28

尿素1分子は、窒素原子を2つ含んでおり、1molの尿素=60gは、尿素窒素28gに相当します。

ですので、尿素窒素の値に、60/28をかければ尿素の値がわかります。

2.BUN(血中尿素窒素)の検査結果について

2.1.基準値

BUN(血中尿素窒素)の基準値

BUN(血中尿素窒素):7~23mg/dl程度

参考:一般社団法人 日本衛星検査所協会

2.2.BUNが高くなる原因

BUNが高くなる原因
  1. 腎機能低下
    →腎臓での尿素排泄が低下するため
  2. 尿量の減少(脱水など)
    →尿細管での尿素の再吸収が増えるため
  3. タンパク質の多量摂取
  4. ステロイド薬服用
    →体タンパクの異化が上昇するため
  5. 甲状腺機能亢進症など
    →体タンパクの異化が上昇するため
  6. 消化管出血(腸管に貯留したタンパク質が腸内細菌により分解されるため)
    →アンモニア(NH3)の精製が上昇するため

参考:病気がみえる vol.8: 腎・泌尿器 p25

上記のように、BUNはさまざまな原因で高くなります。

2.3.BUNが低くなる原因

BUNが低くなる原因
  1. 尿量の増加(尿崩症など)
    →腎臓での尿素の排泄が増えるため
  2. タンパク質の摂取不足
  3. 重症肝不全
    →尿素の合成が減るため

参考:病気がみえる vol.8: 腎・泌尿器 p25

ただ、通常の健康診断では、高値でなければ異常なしとみなされることが多いです。

しかし、栄養療法的には、どれくらいタンパク質を食べているかの判断のひとつとして、BUN(尿素窒素)が用いられます。

BUNが一桁だとかなり低く、タンパク質の摂取量がすくないのでは?と判断できます。

3.BUN/血清Cr比の意味

BUN(血中尿素窒素)は腎機能が低下すると上昇します。

しかし、BUN(血中尿素窒素)は腎機能以外の影響も強く受けます(前述の「2.2.BUNが高くなる原因」参照)。

一方、血清Cr(クレアチニン)は、基本的には腎臓の影響のみを受けます。

ですので、BUNと血清Crの両方ともが高くなる場合は、腎機能低下を示している可能性が高いです。

腎機能低下に伴い、BUNと血清Crがともに上昇し、BUN/血清Cr比≒10となる傾向がある。

引用:病気がみえる vol.8: 腎・泌尿器 p25

BUN/血清Cr比の正常値は10ですが、BUNと血清Crの両方が上昇してのBUN/血清Cr比が10前後の場合は、腎機能低下を示していると考えられます。

BUN/血清Cr比が高くなる場合は(20以上では高値とされます)、原因としては、主に以下の4つが考えられます。

BUN/血清Cr比上昇の原因
  1. タンパク質摂取量が多い
  2. 消化管出血
  3. 感染症などにより筋肉の異化が亢進
  4. 尿量の減少(脱水や心不全など)

ですので、BUN/血清Cr比は腎臓以外の影響を推定に役立ちます。

BUN/血清Cr比は低下することもありますが、臨床的にはそれほど重要ではなく、原因としてはタンパクの摂取不足や透析後などが考えられます。

それでは今回は以上です。

 

<注意事項>
本ブログに掲載されている情報の正確性については万全を期しておりますが、掲載された情報に基づく判断については利用者の責任のもとに行うこととし、本ブログの管理人は一切責任を負わないものとします。
本ブログは、予告なしに内容が変わる(変更・削除等)ことがあります。