血液検査項目のCa(カルシウム)とは?【基準値や異常値の原因】

血液検査のCa(カルシウム)の基準値を知りたい人「Ca(カルシウム)の基準値を知りたい!併せて、数値が異常のときに考えられる疾患なんかについても知りたい!!」

本記事ではこの疑問に答えます。

  • Ca(カルシウム)の基準値
  • Ca(カルシウム)の役割
  • Ca(カルシウム)の値が異常のときに考えられる原因

医療従事者歴3年、現在も総合病院で勤務している現役の医療従事者の僕が、血液検査項目のCa(カルシウム)についてわかりやすく解説します。

Ca(カルシウム)の基準値

Ca(カルシウム)の基準値は病院によってまちまちですが、本記事では日本臨床検査標準協議会(JCCLS)が、2014年に発表した「共用基準範囲」の基準値を参考にします。

  • 血清Caの基準値:8.8~10.1 mg/dL

参考:日本臨床検査標準協議会(JCCLS)基準範囲共用化委員会

血液中のカルシウム濃度は8.8~10.0mg/dl(デシリットル)の範囲で厳密に調節されています。 調節には副甲状腺ホルモンのパラトルモン(PTH)、カルシトニン(甲状腺ホルモン)、ビタミンD3などが関与しています。

ただし、低アルブミン血症の場合(血清アルブミン値が4.0g/dL以下の場合)、真の値よりも見かけ上、血清Caが低くなることがあります。
そのため、以下の補正Caで評価する必要があります。

補正血清Caの計算式

  • 補正血清Ca(mg/dL) = 実測血清Ca(mg/dL) + 4 - 血清アルブミン(g/dL)

体内のCa(カルシウム)の役割

血液中のCa(カルシウム)の役割は下記のとおりです。

  1. 筋肉の収縮
    →筋肉が収縮するためにカルシウムイオンが必要です。
  2. 血液凝固
    →Ca(カルシウム)は凝固因子の一つです。
  3. 神経伝達
    →神経伝達物質によって興奮がほかの細胞に伝えられることを伝達といいます。
  4. 酵素活性
  5. 細胞分裂・分化
  6. 骨や歯の材料
    →骨に、ヒドロキシアパタイト(Ca10(PO4)6(OH)2)の形で存在しています。

骨や歯以外のCa(カルシウム)が生理機能では重要

体内にあるCa(カルシウム)の99%以上は骨と歯といった硬組織にあります。
残り1%ほとんどは細胞内に存在し、細胞外に存在するのは全体の約0.1%です。

しかし、この残り1%のCa(カルシウム)のほうが私たちの身体にとっては重要な生理機能を担っています。

骨は血中のCa(カルシウム)が不足することがないようにするための備蓄庫としての役割が大きいです。
仮に血中のCa(カルシウム)が不足すると、骨からCa(カルシウム)が補充され、血中濃度が維持されます。

血液中のCa(カルシウム)

血液中のCa(カルシウム)の約50%はCa2+(カルシウムイオン)して存在しています。
残り半分は、結合型カルシウムとして存在しています。

このCa2+(カルシウムイオン)が主に生理機能にかかわっています。

結合型カルシウム(約50%)のうち、ほとんどは血漿タンパク質(主にアルブミン)と結合し、残りはリン酸やクエン酸などと結合して存在しています。
血液中のCa2+(カルシウムイオン)が減った場合、結合型カルシウムからカルシウムが遊離し、Ca2+(カルシウムイオン)の濃度を増加させます。
アルブミンなどと結合している結合型Ca(カルシウム)は保存用で、体内で作用を発揮することはありません。
つまり、低カルシウム血症といった症状は、アルブミンなどに結合していないCa2+(カルシウムイオン)の濃度が低下したときに現れます。

血液中のカルシウムの状態

  1. 約50%はCa2+(カルシウムイオン)として存在
  2. 約50%は結合型カルシウムとして存在
    (→約40%は血漿タンパク(主にアルブミン)と結合)
    (→約10%はリン酸やクエン酸などと結合)

血液検査で測定している血清カルシウム濃度は、上記3つをあわせたものになります。

血清カルシウム濃度の異常は、細胞内のカルシウム濃度にも異常をもたらして細胞機能に異常をもたらします。
代表例として、低カルシウム血症のときにみられる痙攣、テタニーなどがあり、高カルシウム血症では意識障害、消化器症状(悪心・嘔吐)などがあります。

Ca(カルシウム)が高値のときに考えられる疾患

血清カルシウム濃度が10.4mg/dl以上を高カルシウム血症(高Ca血症)といいます。

高カルシウム血症の原因

  1. 原発性副甲状腺機能亢進症
  2. 二次性副甲状腺機能亢進症
  3. 悪性腫瘍
  4. サルコイドーシス
  5. 極度の不動
  6. 薬剤性
    (カルシウム製剤、ビタミンD製剤、ビタミンA製剤、サイアザイド系利尿薬)
  7. ミルクアルカリ症候群
    (牛乳の大量摂取と共にアルカリ(炭酸カルシウムなど)を摂取すると起こる高カルシウム血症のこと)

高カルシウム血症の原因の90%以上は、原発性副甲状腺機能亢進症や悪性腫瘍です。

高カルシウム血症の症状として、頭痛、筋力低下、消化器症状(悪心・嘔吐)、多飲多尿、心電図異常(QT短縮)、抑うつ状態、錯乱、意識障害などがあります。

Ca(カルシウム)が低値のときに考えられる原因

血清カルシウムが8.5mg/dL未満の場合を低カルシウム血症といいます。

※ 血清アルブミンが4.0g/dL未満の場合には、以下の式による補正Ca値を用います。

補正血清Caの計算式

  • 補正Ca(mg/dL) = 実測Ca(mg/dL) + 4 - アルブミン(g/dL)

血清カルシウム濃度は、副甲状腺ホルモン(PTH)とビタミンD3によって調節されています。
両者とも、骨吸収、腎臓や腸管からのカルシウム吸収によって、血清Ca濃度を上げるように作用します。
ですので、これらのホルモンとビタミンの作用不足が低カルシウム血症の主な原因となります。

低カルシウム血症の原因

  • 副甲状腺機能低下症
  • ビタミンD3不足
  • 慢性腎不全

低カルシウム血症の症状として、手指や唇のしびれ、感覚異常、テタニー(手足の筋肉が硬直して動かせなくなったり、痙攣を起こした状態)、全身性痙攣、心電図変化などがあります。
ただし、無症状のことも多いです。

低カルシウムに対する基本的な治療は、カルシウムの補充です。内服や点滴でカルシウムを補います。カルシウムの吸収をよくするためにビタミンDを一緒に服用することもあります。

 

というわけで今回は以上です。

 

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