こんにちは、現役医療従事者のとってぃです。
前回の記事では、血糖値を大きく上昇させるご飯にはコカ・コーラ以上の糖質が含まれているという話しをしました。
そのときの記事はこちらです>>>僕がご飯を辞めた理由①~糖化反応が老化や糖尿病合併症の原因に!?~
今回は、それに関する用語で絶対外せない「糖化反応」についてやろうとおもいます。
目次
1.血糖が身体にとって毒になる理由
ここでは血糖が身体にとって毒である理由を説明したいと思います。
そのためには、まず「糖化反応」というものを知っておかなければいけません。
1.1 糖化反応
糖化反応とは 糖化反応(glycation)は1912年にLC Maillardがアミノ酸と還元糖を加熱すると褐色の色素が生成することを発見したことから、メイラード反応として知られるようになった。 |
『加熱すると』とありますが、
この糖化反応は、常温でも普通に起こります。温度が高いほど反応が良くすすむということです。
糖化反応の例として、
肉やパンを焼いた時、焦げ目がつきますよね?これも立派な糖化反応です。
食べものを加熱すると、茶色くなったり、香ばしい匂いがしてきたり、栄養価が変わってしまったり。
このように味や風味、保存に大きく影響するため、もともとは食品分野で糖化反応は注目されていました。
1.2 体内でもこの糖化反応(メイラード反応)は起きています
ところが一九六九年になって、「メイラード反応」は食品だけでなく、人間の体の中でも起きているのではないか、という画期的な推測がされるようになりました。
そのきっかけになったのは、サムエル・ラーバーというイランからニューヨークにあるアルバート・アインシュタイン医科大学に留学してきたお医者さんの発見でした。
ラーバー先生はヘモグロビンの形や構造の違いによって、酸素の運搬機能に差が生まれるのではないかと考えました。
そして来る日も来る日もヘモグロビンの性質と機能を追いかけていたのですが、あるとき、糖尿病の患者さんのヘモグロビンを調べていたら、とても変な性質をもつヘモグロビンを発見したのです。
実はこの奇妙なヘモグロビンは、老化物質AGEに変化する一歩手前の「ヘモグロビンA1c」(HbA1c/ヘモグロビン・エーワンシーという表記もある)という中間物質でした。でも、当時のラーバー先生はそんなことは知るよしもありませんでした。
ただ、糖尿病の患者さんの血液には奇妙な性質のヘモグロビンがたくさんあって、ふつうの人の血液にもあることはあるが、糖尿病の患者さんではこれが二~三倍と多く存在することがわかった。
きっと、このへんてこりんな性質のヘモグロビンが糖尿病の患者さんに悪さをして、何か病気を起こしているに違いない、あるいは、このタイプのヘモグロビンが想起に糖尿病を診断する手がかりとなるかもしれない、という論文を一九六九年に発表した
この「へんてこりんな性質のヘモグロビン」が、「HbA1c(ヘモグロビンA1c)」という物質のことで、
ヘモグロビン(たんぱく質)と糖がくっついてできます。
ヘモグロビン(たんぱく質) + 糖 = HbA1c
「へんてこりんな性質」とはいったいなにかというと、このへんてこりんなヘモグロビンは酸素とよくくっつくようになります。
しかし逆に酸素は放出しにくくなってしまいます。
ですから全身の細胞への酸素を届ける能力は下がることになります(つまりは機能の劣化)
(ヘモグロビンの大事な役割は、全身に酸素を届けることなので)
しかしこれによって悪影響が出る可能性はほとんどないとも・・・
血糖値の高い糖尿病患者さんで、このHbA1cは多くなります。そのため血糖コントロール指標として使われるようになりました(HbA1cが低いほど血糖コントロールが良好だということ)
まぁそんなことはいいとして、
ここでぼくが一番いいたいことは、このように糖化反応によってできたたんぱく質(ヘモグロビン)は性質が変わってしまうんだということです。
そしてこの糖化反応は、ヘモグロビンだけでなく人体を構成するさまざまなタンパク質に起こります。
知っての通り私たちの身体は、髪、皮膚、筋肉、内臓、血管、骨、ホルモンなどほとんどの部位でたんぱく質を材料としてつくられていますよね?
これらすべてに糖化反応がおこり、その性質が変わってしまうというんです(機能劣化は、つまりは老化ということ)。
見た目に一番現れるのが肌のシワやシミです
特に女性は、老けてるとみられることを男性よりも嫌がるので、一生懸命化粧とかで隠そうとしますよね。
2.糖化反応によってできた生成物は老化を進行させる
生成物の中には害のないものもあるが、反応性が高く、老化現象の主原因として、アンチエイジングの観点から注目されるようになってきている[7]。糖尿病、心臓病、アルツハイマー病、癌、末端神経障害、難聴、失明などの原因となるものもある[8][9]。病気の種類が広範に渡るのは、糖化反応がとても基礎的なレベルで分子と細胞の関係を阻害し、過酸化水素などの強い酸化剤を生成するからである。
糖化された物質は体内からゆっくりと排出され、糖化生成物の半減期はなんと細胞の平均寿命の約2倍にもなる。赤血球細胞は体内で最も短い寿命で約120日であり、糖化生成物の半減期は240日である。この事実によって、血中の糖化されたヘモグロビン濃度を観察することにより糖尿病患者の血糖管理状態が把握できる。逆に、神経細胞など寿命の長い細胞、コラーゲンのように寿命の長いタンパク質やDNAではダメージが長時間蓄積される[10]。また腎臓の糸球体、目の網膜細胞、ランゲルハンス島のβ細胞など代謝の活発な細胞でも、ダメージが蓄積しやすい。さらに血管の上皮細胞は糖化によって直接傷つけられ、冠動脈の入り口など血流の多い場所にアテローム性動脈硬化症などを引き起こすこともある。
以上のようにさまざまな疾患の原因となり、健康維持と深いか関わりを持つ現象であるため、抗糖化ケアという言葉も生まれている[7]。
少し長いですが・・・
つまりは糖化反応によってできた生成物は、
- 本来の正常な機能を持っていない、あるいは劣化させる
- さまざまな病気の原因になる
- 通常の細胞の2倍長生きする
という特徴や性質をもっているということです。
寿命の長い神経細胞やコラーゲン、DNAではそのダメージが長い間残ってしまうんですね。
糖化反応によってできた生成物は、単純に一言で言い表すと老化してしまった、あるいは老化の原因物質といえるのではないでしょうか。
「老化」とは一般的に、成熟期以降に起こる生理機能の衰退を意味し、遺伝的な要因や外界からのストレスに対し、適応力が低下することで起こる変化と考えられます。
3.高血糖が持続することで糖化反応がどんどん進む
血糖は体内のありとあらゆるたんぱく質とくっつき、私たちの身体を老化させてしまいます。
糖化反応は、以下の条件で起こりやすくなります。
- 血液中に糖が多いほど
- 時間が経つほど
つまり、高血糖が持続することで糖化反応はどんどん進むということ。
しかし私たちはこの糖化反応による老化を完全に阻止することはできません。
糖化反応は血液中に糖があれば必ず起こる反応だからです。
正常な血糖値であっても、加齢に伴ってさまざまなタンパク質の糖化反応が進行する。
避けようがありません。逃げられません。
血糖値が0になれば私たちは死んでしまいますから、老化は私たちの運命としてどうやら定められているようです。
しかし遅らせることはできます。
血液中の糖を減らすことです。
糖化反応は血液中に糖が多ければ多いほど進んでしまいます。
なので血液中の糖を増やす食べものをできるだけ抑えること。
その一番手っ取り早い方法が、私たち日本人の主食のご飯を抜く、もしくは減らすことです。
ご飯は、食品の中でも特に糖質が多いうえに、ほとんどの日本人が毎日食べているものです。
なので老化を抑える一番手っ取り早い方法です。
僕はご飯を辞めてから、肌の調子もいいですし、精神的に気分も良くなって(たぶん脳細胞の糖化反応が減ったんだと思う)、仕事やプライベートが充実するようになりました。
この記事を書くときに参考にした本
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