こんにちは、現役医療従事者のとってぃです。
皆さんに、衝撃の事実をお伝えしなければなりません。
お茶碗一杯にはいっている『糖質』の量って、ご存知ですか?
だいたいでかまいません。
答えは 60gです。
60gっていわれてもピンとこないかもしれません。
あの有名な清涼飲料水のコカ・コーラ500mlには、糖質およそ45gがはいっています。
実はコーラよりもご飯のほうが糖質量が多いんです。
この衝撃的な事実は知らなかったんではないですか?
コーラのような清涼飲料水はただの砂糖のカタマリなので、飲まないようにしてる人もいると思います。
しかし、同じように砂糖のカタマリである白米を食べないようにしてる人ってあんまりいないと思います。
というか、そもそもそんなに大量の糖質が入っていることさえ知らなかったですよね?
そして大量の糖質のなにが問題になのかというと、私たちの身体をボロボロにします。(≒老化)
肌のシミやしわ、骨がもろくなる、血管がボロボロになって心筋梗塞や脳梗塞、あるいはアルツハイマー病などの脳の病気の原因になることが分かっています。
もちろん肌のシミやしわは病気ではありませんが、一般に老化現象といわれていますよね。
このような老化現象や病気をより進ませてしまうものが、『大量の糖質』だということです。
目次
1.老化の原因物質。謎のAGEとはなにか
このように誰しもが年をとることで起こってしまう、身体の劣化や病気にはある物質がその背後にあるといわれています。
その物質とは、『AGE(終末糖化産物)』です。
AGEsという名称は、あくまで糖化反応による生成物の総称であり、一定の構造を示す化合物ではない。
ここで糖化反応という言葉がでてきますが、かんたんにいうと、糖とたんぱく質がくっつくことです。
糖とくっついたタンパク質は、『機能の劣化』、あるいは『他の正常な細胞を攻撃』してダメにしてしまいます。
近年、糖化反応は老化現象、認知症、癌、高血圧、動脈硬化症などにも関与していることが明らかになり、食品、糖尿病以外の新たな分野でも研究展開されている。
要するに、ご飯のようなたっぷりの糖質ばっかりを食べていたら、
糖化反応がどんどん起こり、AGEという物質をたくさんつくってしまう。
そしてそれが、病気や老化の原因になっているということです。
2.AGEはどうやって血管をボロボロにするの?
AGEの害は全身におよびます。
その中でとくに血管は大事にしないといけません。
日本人の死因の第二位は心疾患で、第四位は脳疾患なので、長生きしたけりゃ血管は命そのもの、ということです。
そんな大事な血管が、AGEによってどのようにボロボロになっていくのか、そのプロセスをみていきたいと思います。
2.1 まず血管の構造をおさえておきます
基本的に、血管の壁は内側から、『内膜』『中膜』『外膜』の3層構造をしてます。
内膜 | 血液に直接ふれる内皮細胞がある |
(内膜と中膜の間) | コラーゲン |
中膜 | 弾性繊維や平滑筋がある |
外膜 | 周囲の組織と結合している |
簡単にせつめいすると、
- 血管の内側に血液と直接ふれる内皮細胞があります。
- そのまわりをぐるっと、コラーゲンが囲みます。
- コラーゲンは血管にしなやかさや弾力性をあたえています。
- コラーゲンの周りを、弾性繊維や平滑筋がおおっています。
- 平滑筋は収縮と弛緩によって血管の太さを調節しています。
- さらにその外側を外膜が覆い、他の組織と結合しています。
2.2 AGEになったコラーゲンは、弾力性やしなやかさがなくなる
コラーゲンは、血管に弾力性やしなやかさを与えています。
これが糖化反応によって糖だらけのコラーゲン(糖化コラーゲン、AGE)になります。
この糖化コラーゲンは、弾力性としなやかさという性質をなくしてしまいます。
2.3 糖化したコラーゲンはさらに悪さをする
そして、ダメになってしまった糖化コラーゲンは、それ自体が劣化しているだけでなく、周囲の細胞も攻撃します。
攻撃対象は、以下の2つです。
- 内皮細胞
- 平滑筋細胞
2.3.1 内皮細胞は、糖化コラーゲンから刺激をうける
糖化コラーゲンは、内皮細胞に攻撃します。
ざっくり流れを説明すると、
- 糖化コラーゲンが内皮細胞を刺激します。
- 刺激された内皮細胞に悪玉コレステロールがたまりやすくなります。
ようするに血管に脂肪がどんどんたまってしまうということ。 - これと同時に刺激された内皮細胞に、免疫細胞のマクロファージも集まってきます。
- マクロファージは、悪玉コレステロールをどんどん食べて、後には残骸だけが残ります。
- この残骸のことをプラークといいます。
- プラークは非常にもろく、壊れやすいです。
壊れたときに、血小板が集まってきて、止血します。その結果、どんどん膨れ上がって大きくなっていきます。
以上の流れで、血管のなかにプラークといわれるゴミができてしまい、血管が細くなります。
これが狭心症などの原因になります。
そして、プラークが壊れた場合、血小板などが集まって血栓ができ、この血栓が血流を完全に阻害してしまうことがあります。
これが急性心筋梗塞の主な原因といわれています。
2.3.2 平滑筋細胞
糖化コラーゲンは、平滑筋細胞にも攻撃をします。
刺激された平滑筋細胞は、数をどんどん増やします。
その結果、平滑筋細胞が増えて分厚くなるので、血管が硬く厚くなります。
2.4 AGEによる血管への害をまとめると
- コラーゲンが糖化して、弾力がなくなる
⇒血管が硬くなる - 糖化コラーゲンは、血管の一番内側の内皮細胞を刺激して、プラークをつくらせる
⇒プラークによって、血管内腔が細くなる
⇒プラークの破綻によって、血小板が凝集し血栓ができる
- 糖化コラーゲンは、血管の筋細胞をむだに刺激して、増殖をうながす
⇒血管が硬くなる
まとめ
いかがだったでしょうか?
身体の老化現象の背後には、AGEという物質があります。
AGEは、糖とたんぱく質がくっついたもので、本来のたんぱく質と比べて「機能が劣化」してたり、「他の細胞を刺激する」という性質をもちます。
今回は、このAGEによって血管がどのように障害されているのかみていきました。
もちろん血管だけでなく、全身の組織や臓器で同じように障害され、病気や老化の原因になります。
このAGEの産生をふやす源は、糖質の多い食事です。
とくにご飯は、糖質量が食品のなかでも特に多く、また甘くもないため、甘いものを食べているという実感がわきにくく、食べ過ぎてしまいがち。
また毎日食べてる人も多いので、特に注意が必要な食品だと思います。
僕は今ではご飯は一切食べていません。ご飯だけでなく、糖質の多い食べものも控えています。
それでもやはり、フルーツとかは食べ過ぎてしまいがちなので、その時はなんとなく身体がだるかったり、調子がでなかったりしてしまいます。
それが糖化反応によるAGEによるものかどうかは分かりませんが、体感として調子が悪くなることは事実です。
ですので、日々調子が悪いなと思う方は、糖質を少し抑えめにした食事をぜひ試してみてください。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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