こんにちは、現役医療従事者のトッティ(@totthi1991)です。
「食後に眠くなる」「午前中は元気なのに、夕方になってくるとどうしても疲労感が強い」
こんな症状はありませんか?
一方で、「食後だから眠くなるのは当然だ」「仕事してるんだから夕方くらいに疲れてくるのは当然だ」
こういう風に思って諦めていませんか?
しかし、これらは単に甘いものの食べすぎが原因である可能性があります。
本記事では甘いものの食べすぎで眠くなる理由を深堀していきます。
目次
1.食後の眠気は、甘いもののとりすぎで、血糖値を大きく上昇させてしまっているから

食後に血糖値が上がることは当然のことです。
しかし、その上がり方は食べるものの内容によって大きく変わってしまいます。
生理学のシンプルな事実として、以下のルールがあります。
GI(グリセミック・インデックス)とは、食べ物を食べた後の血糖値の上昇スピードを0~100の間で表したものです。
オーストラリアのシドニー大学では、グルコースを基準(グルコースを摂取した後のGIを100)とし、GIが
- 70以上:高GI食品
- 56~69の間:中GI食品
- 55以下の食品を低GI食品
としています。
- 代表的な食品のGI値
GI | |
---|---|
100 | グルコース |
80~89 | フランスパン |
70~79 | 食パン、スイカ、ニンジン、カボチャ |
60~69 | 白米、砂糖、アイスクリーム |
50~59 | パスタ、バナナ |
40~49 | オレンジ、ブドウ |
30~39 | ヨーグルト(加糖)、りんご |
20~29 | ヨーグルト(無糖) |
10~19 | ピーナッツ |
2.血糖値を上昇させすぎてしまうことがヤバい

糖尿病などなく、健康な人であればどんなに甘いものを食べようと食後血糖値は140mg/dlを超えません。そのうえ、上昇した血糖値は3~4時間後には空腹時と同じ値に戻ります。そして、次の食事まで一定の血糖値を保ちます。
このように、食後に血糖値が緩やかに上昇し、そのあと緩やかに下がり、3~4時間後には、空腹時とほぼ同じような値になるのであれば、まったく問題ありません。
問題なのは、血糖値が上がりすぎてしまう場合です。
血糖値を下げる唯一のホルモンはインスリンなんですが、このインスリンがかなりの曲者です。というかポンコツと思ってもらっていいです。
血糖値の上昇が緩やかであれば、必要な分だけインスリンが出て血糖値を緩やかに下げるんですが、血糖値が急激に上がりすぎてしまうと、インスリンは過剰に分泌されてしまい、必要以上に血糖値を大きく下げてしまいます(これがインスリンはポンコツといった理由です)。
その結果、空腹時の血糖値よりも下がってしまい、「低血糖症」といわれる状態になります。
2.1.低血糖症とは?
一般的に、低血糖症という病態は知られていません。
そのうえ、低血糖症と聞くと、なんだか血糖値が下がってしまうことをイメージされてしまうかもしれません。
しかし、低血糖症とは、単に血糖値が低くなるのではなく、血糖のコントロールが不良になり適切な状態に血糖値を維持できなくなってしまうことです。
2.2.低血糖症の症状
低血糖症に特定の症状はなく、いろんな症状をきたします。
- 頭痛
- めまい
- 眠気
- 動悸
- 疲労感
- 抑うつ感
- 不安感
一見するとうつ病の症状と似通っているため、病院に行くとうつ病と診断され、うつ病の薬を飲んでいる患者さんもいます。しかし問題なのは食生活であって、うつ病の薬を飲んだところで根本的な解決にはいたりません。
2.3.低血糖症の原因
低血糖症の一番の原因は、糖質の取りすぎです。
現代人は、白米やパン、麺類などをはじめ、甘いスイーツや甘い調味料など異常なくらい多く取る食生活をしていますが、これが低血糖症の最も多い原因です。
3.低血糖症の背景にはホルモンの異常分泌があります

ここまでで説明したように、糖質のとりすぎによって血糖値が急上昇してしまうと、ポンコツなインスリンが大量に分泌されてしまい、血糖値の急低下が起きてしまいます。
このような血糖値の急激な上下が低血糖症という血糖調節ができなくなってしまう状態となってしまい、様々な症状(一見するとうつ病)の原因となります。
3.1.急激に下がった血糖値は、数種のホルモンの大量分泌によって上げようとします
血糖値の急低下というのは、私たちの身体はヤバい、緊急事態だと判断します(大事な脳のメインのエネルギー源はグルコースなので)。
そのため、血糖値を上げるために多くのホルモンが大量分泌されます。
血糖値が急激に低下した場合、アドレナリン、ノルアドレナリン、コルチゾールなどのホルモンが大量分泌されて血糖値を上げます。これらのホルモンは自律神経の調節もしているので、大量分泌により自立神経は乱されてしまいます。
自律神経の乱れは、頭痛、疲労感、集中力の低下、精神面でのイライラ、動悸、冷え、発汗、手のしびれといった様々な不調の原因となります。
特に頭痛は、この血糖値を上げるホルモンが一斉にでることでよく起こるといわれています。
4.【まとめ】糖質は控えめにすることが大切です
糖質の過剰摂取によって、
- 低血糖症
- 各種ホルモンの過剰分泌(急激に下がった血糖値を上げるために)
これが自律神経を乱し様々な不調の原因(うつ病とも似たような症状)となります。
そして、これらは正常な人(糖尿病でない人)にも十分起こりえます。
対策としては食事から糖質を減らすことが大切です。
当ブログでも散々糖質を取りすぎはヤバいといっていますが、少なくとも毎食白米やパンなどの主食を食べるのは控えたほうがいいです(決して食べるなというわけではありません)。
実際、人類の歴史を振り返ってもこれだけ過剰な糖質を摂取していたことはありませんでした。
私たちがこれだけ過剰な糖質にさらされるというのは、生物として想定外なわけです。それが様々な病気や日々の不調につながっているということです。
食後の眠けがヤバいという人は、お昼に糖質を控えることから始めてみてはいかがでしょうか。
コメントを残す