糖質制限で食欲が抑えられないのは食べ方が間違っているからです

「糖質制限をしてるけど、食欲が抑えられず食べ過ぎてしまう」

「たくさん食べないと満足できない!」

 

この記事では、糖質制限をしてるんだけど食欲を抑えられないという人に向けて、ただしい食べ方を説明します。

 

1.食欲をコントロールしているのは、脳の視床下部です

まず、食欲とは何なのかというと、食べものを食べたいと思うことです。

この食欲をコントロールしているのは、脳の視床下部というところです。

視床下部
(前略)生命活動にとって大切な呼吸数、血圧、心拍数、消化液分泌調節に加えて、体温調節中枢(温熱中枢、寒冷中枢)、摂食調節中枢(満腹中枢空腹中枢、飲水調節中枢、情動行動中枢のような多くの自律神経機能の高位中枢である。(後略)

引用:看護roo!【カンゴルー】

この視床下部にある満腹中枢を刺激すれば、お腹がいっぱいだと感じます。

逆に空腹中枢を刺激すれば、お腹がすきます。

 

単純明快です。

 

2.レプチンが満腹中枢を刺激する

レプチンは脂肪細胞から分泌され、満腹中枢を刺激して食欲を抑えます。基本的に食事をした後に、分泌が始まり、脳に「食べるのをやめろ」というシグナルを送ってくれます。このレプチンの分泌が悪かったり、効きが悪かったり(レプチン抵抗性)すると食欲が収まらずダラダラと食べ過ぎてしまいます。

 

✔ レプチンは食欲を抑える働きをもつホルモン

 

2.1.タンパク質をたくさん食べて食欲を抑える

中部大学の野口忠教授らがおこなったラットをつかった研究によると、ラットにタンパク質を与えないと血中レプチン濃度が極端に低くなることがわかっています。

また、タンパク質は一般的に炭水化物や脂肪より、食欲を満足させる効果が高いといわれています。

(前略)食欲を抑えるという意味で最も効き目がある主要栄養素は、タンパク質であることがわかっています。一般に、たとえば炭水化物の多い食事よりもタンパク質の多い食事をとった場合のほうが、食後数時間の満足度が高いのです。

引用:ジョン・ブリファ著「やせたければ脂肪をたくさんとりなさい ダイエットにまつわる20の落とし穴」 p70

2011年におこなわれたアメリカの研究によると、タンパク質の食べる量が多ければ多いほど、食べる量が少なくなりました。計算では、タンパク質からとるカロリーの割合が平均15%から25%に増えると、カロリー摂取量が1日に約500キロカロリー減ったそうです。(※1)
※1:Austin,G.L.,et al.,Trends in carbohydrate,fat,and protein intakes and association with energy intake in normal-weight,overweight,and obese individuals:1971-2006,Am j Clin Nutr,2011,93(4):836-43.

 

2.2.タンパク質が豊富な食べもの

このように、満足感もえられてそれが持続するタンパク質は、積極的に食べるべき栄養素です。

基本的に肉・魚・卵といった動物性食品はタンパク質の塊と考えていいです。植物性タンパク質は、豆腐などの大豆製品や豆類に多く含まれています。

下の表にタンパク質が豊富な食べものをまとめましたので、参考までにどうぞ。

肉類タンパク質が多い順可食部100(g)あたりの、タンパク質含有量
牛肉牛すじ、牛ヒレ肉、牛もも肉、牛レバー、牛肩肉、牛サーロイン肉、牛タン、12.6~28.4(g)
豚肉豚ヒレ肉、豚もも肉、豚レバー、豚ロース肉、豚肩ロース肉、豚バラ肉14.3~22.8(g)
鶏肉鶏むね肉(皮なし)、鶏ささ身、鶏むね肉(皮つき)、鶏もも肉(皮なし)、鶏レバー、鶏手羽先、鶏もも肉(皮つき)16.3~23.1(g)

 

魚介類可食部100(g)あたりの、タンパク質含有量
マグロ(赤身)26.5(g)
サケ22.3(g)
ブリ21.4(g)
サバ20.8(g)
アジ20.7(g)
イワシ19.8(g)

参考サイト:食と健康の総合サイト e840.net

まぁ、いろいろ肉の部位や魚によって多少タンパク質の量に違いがありますが、そんな気にするほど違うってこともないです。大事なことは、これらタンパク質のことを忘れずにしっかりとることです。

ただし調子にのって食べ過ぎるのはやめましょう。

 

3.ペプチドYYとグレリンが食欲を抑える!?

糖質制限でタンパク質と脂質を食事からとる量が増えると、満腹中枢を刺激して食欲を抑えるペプチドYYというホルモンが増えます。

さらに食欲を促進さえる働きがあるグレリンというホルモンが減るので、お腹がすきにくくなります。

ちなみに、ペプチドYYとグレリンは、消化管が分泌する消化管ホルモンの一種です。

 

4.【注意点】野菜などから炭水化物(糖質)を多く食べないようにする

ご飯や麺類、甘いものは食べ応えがあって、食べた直後はすごい食べた気になって満足感が高いです。でも糖質制限をしてる人は、とうぜんこれらの炭水化物(糖質)は控えていると思います。

しかし野菜に含まれる炭水化物(糖質)は見過ごされがちです。にんじん、じゃがいも、かぼちゃ、などなど糖質の多い野菜は結構あります。

いくらご飯や麺類、甘いものを控えていても、糖質の多い野菜をたくさん食べてたら糖質制限のメリットは低下してしまいます。

 

また炭水化物(糖質)は、食欲を著しく増加させるという効果もあります。

 

その理由は、血糖値が急上昇したあとに、インスリンが急激に増えるため、結果として血糖値が正常値より下がってしまうからです。

いわゆる低血糖と呼ばれるこの状態は、食欲を著しく増加させ、食べ過ぎの原因となるので注意してください。

 

まとめ

たしかに、ご飯や甘いものは食べた直後はめちゃくちゃ満足します。でも満足感は長続きしません。またすぐにお腹がすくようになります。

大事なことは、食事の直後に満足感を感じることよりも、数時間後までもずっと満足感を維持できていることです。そういう意味で炭水化物(糖質)よりも、タンパク質や脂質をしっかりとることがポイントになります。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です