クレアチンとはなに?体内での役割をわかりやすく説明してみた

クレアチンは、オリンピックに出るようなトップアスリートにとっては必須の栄養素です。

しかし、一般の人でも筋力トレーニングをしている人にとっては、プロテインやBCAAと同じくらい有名だと思います。

そこで、本記事では「クレアチン」とはいったい何なのか、その役割についてわかりやすく説明しようと思います。

1.クレアチンとは

クレアチン
  • 分子式:C4H9N3O2
  • 分子量:131.13
  • 窒素化合物
  • アミノ酸の一種
  • 肉や魚に含まれる

クレアチンは窒素化合物(窒素を含む化合物)です。

また、分子内に、アミノ基(-NH2)とカルボキシ基(-COOH)をもつため、アミノ酸の一種でもあります。

クレアチンって、なんだかまったく知らない人からすると怪しげなドーピング剤にもみえますが、肉や魚なんかに普通に含まれていたり、体内でも合成されていて、私たちの身体にとってはありふれた栄養素です。

注意
ただ、クレアチンはアミノ酸の一種ですが、タンパク質の合成材料としては使われることはありません。
つまり、筋肉などの材料にはならないということです。
しかし、後述しますがクレアチンにはエネルギー物質としての重要な役割があります。

2.クレアチンの役割-筋収縮のエネルギー源-

クレアチンは、瞬間的なパワーが必要なときに力を発揮します。

例えば、高強度の運動で筋肉のエネルギーが大量に消費する時など、体内に大量のクレアチンがストックされていれば、通常より強いパワーを発揮することができます。

ですので、筋トレをしている人にとってはMAX重量が上がったりだとか、今まで10回しか負荷をかけられなかったのに12回までできるようになったりだとか、そういう効果があるので筋トレをしている人にとってはスタンダードなサプリメントです。

2.1.クレアチンの役割はATPの補充です

クレアチンの役割
クレアチンは筋収縮に必要な「ATP」という物質をすばやくつくりだすことができます。

筋肉を動かすためのエネルギー源は「ATP」です。

しかし、筋肉に「ATP」はわずかしか含まれておらず、高強度の運動をしたときには数秒で枯渇してしまいます。

ですので激しい運動を続けるためには「ATP」を素早く供給する必要があります。

その供給の役目を担うのがクレアチンです。

補足
体内のほとんどのクレアチンが筋肉に貯えられているのは,筋肉が運動の際に大量のエネルギーを必要とする臓器だからです。
そして、サプリメントとしてクレアチンを摂取することで、筋肉中のクレアチン濃度が増加します。その結果、より多くのATPをつくりだすことが可能となり、筋トレ、短距離走、円盤投げ、重量挙げなどで必要な瞬発力が上がります。

2.2.ATP(アデノシン三リン酸)について

ATP(アデノシン三リン酸)は、エネルギーが貯めこまれているエネルギー物質です。

このATP(アデノシン三リン酸)からリン酸が1つ外れる際に、エネルギーが発生します。

ATP + H2O → ADP + H3PO4(リン酸)+ 7.3kcal(エネルギー)

このときに発生したエネルギーによって、私たちは筋肉を動かすことができています。

そしてクレアチンは、ATPが不足した際に、これを補充するという役割を担っています。

つまり、クレアチンは必要時にATPを供給する、非常食のような物質だということです。

3.体内にあるクレアチンについて

クレアチンの体内量
  1. 70kgの男性の場合、約120~140gのクレアチンが体内にはあります。
  2. クレアチンの95%は骨格筋にあり、残りの5%は心臓、脳、睾丸にあります。
  3. クレアチンは肝臓を除くすべての組織に存在しています。
  4. クレアチンの約60%はクレアチンリン酸の形で、残りの約40%はクレアチンとして存在しています。
補足
体内のほとんどのクレアチンが骨格筋に存在するのは,骨格筋が運動の際に大量のエネルギーを必要とするからです。

体内のクレアチンは、95%が骨格筋内に存在します。

そして、クレアチンの約60%がクレアチンリン酸(PCr)の形で,残りの約40%がクレアチンとして存在しています。

このクレアチンには、食事由来のものと、『アルギニン・グリシン・メチオニン』の3つのアミノ酸から合成されたものとがあります。

食事由来と合成由来のクレアチン
  1. 食事由来
    →肉や魚
  2. 体内で合成されたもの
    →アルギニン・グリシン・メチオニンのアミノ酸から合成されたクレアチン

3.1.食べ物に含まれるクレアチン

クレアチンは主に肉や魚に含まれている栄養素です。

生肉、生魚の500g当たりに約3gのクレアチンが含まれていますが、調理などの熱処理で破壊されるため、実質摂取量は60~80%になります。

ですので、食べ物からクレアチンをしっかり摂るのは結構大変だったりします。

3.2.体内でのクレアチンの合成

クレアチンは、『アルギニン・グリシン・メチオニン』のアミノ酸から、肝臓、腎臓、膵臓で合成されます。

ちなみに、体内で1日2gほどが合成されております。

以下、クレアチン合成の流れです。

肝臓におけるクレアチン合成の流れ
  1. アルギニングリシンが反応してグアニジノ酢酸ができる
  2. グアニジノ酢酸は、S-アデノシルメチオニンによってメチル化されクレアチンができる
    (S-アデノシルメチオニンは、メチオニンからつくられます)

上記によって合成されたクレアチンは血中に放出されて、主に筋肉に取り込まれます。

そしてクレアチンキナーゼ(CK)によって、クレアチンリン酸に変えられます。
(この反応はATPを消費します。ですので休息時におこなわれます。)

まとめ

クレアチンは筋肉に多く含まれるため,肉や魚などの食品にも普通に含まれていますが,その含有量はそれほど多くはありません。

一般的にスポーツ選手が服用するクレアチンは、1日5~20gですが、これだけのクレアチンを食品だけでまかなうのは困難です。

このため、クレアチンがサプリメントとして一般的に用いられているのです。

ちなみに、クレアチンは筋トレをしている人にとっては有名なサプリメントですが、筋トレをしていない人にとっても「頭が良くなる(1)、うつ病をやわらげる(2)」といった効果があるといわれています。

それもそのはず・・・、クレアチンは全身の細胞のエネルギー源である「ATP」を供給する役目があるため、色んな効果が期待できるというわけです。

というわけで興味のある人はクレアチンのサプリメントを試してみてください。

それでは今回は以上です。

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