脂質異常症をわかりやすく説明してみた

こんにちは、現役医療従事者のトッティ(@totthi1991)です。

今回は、脂質異常症の基本的な事柄をまとめたいと思います。

さらっと読んでもらえればなと思います。

1.脂質異常症とは

脂質異常症(以前は高脂血症)とは、血中の脂質の値が異常値を示す状態のことです。

具体的には、以下のとおりです。

  1. LDLコレステロール(悪玉コレステロール)が多い
  2. 中性脂肪(トリグリセライド)が多い
  3. HDLコレステロール(善玉コレステロール)が少ない

上記3つのうち、1つでもあてはまると脂質の異常、つまり脂質異常症と診断されます。

心筋梗塞や脳卒中などの動脈硬化性疾患の危険因子となるため、治療が必要となります。

1-1.高脂血症と脂質異常症は同じ意味です

脂質異常症は2007年以降に新たに使われるようになった言葉で、それ以前は高脂血症と呼ばれていました。

なぜ、高脂血症から脂質異常症へと名称が変わったのかというと、2007年以前は、

  • 総コレステロール(≠LDLコレステロール+HDLコレステロール)
  • LDLコレステロール
  • 中性脂肪

のいずれかが高い。もしくは、

  • HDLコレステロール

が低い場合を「高脂血症」と呼んでいました。

上の診断基準をみてわかるように、HDLコレステロールは低いと逆に動脈硬化のリスクになります。

しかしこの場合、おかしなことに気づきませんか?

もし仮に、ある患者さんのHDLコレステロールが低かったとします。

なので治療を開始し、その甲斐あって無事にHDLコレステロールの値が増えて改善しました。しかし同時に、総コレステロールが増えてしまい、先の診断基準の高脂血症と診断されてしまいました。

これっておかしいですよね?

つまり、HDLコレステロールが増えた結果、総コレステロールが増えているだけで、この場合、総コレステロールの値だけでは、悪いということは判断できません。

こういったことが理由となり、2007年以降から総コレステロールの値を診断基準は撤廃されました。

また、HDLコレステロールは低すぎると良くないにも関わらず、名称が高脂血症では不適切では?ということで高脂血症という名称も撤廃されました。

その代わりに脂質異常症という新たな名称がつくられました。

そういうわけで、今でも昔の名残で高脂血症という言葉を使うことがありますが、脂質異常症と意味は同じです。

 

2.脂質異常症の診断基準

『動脈硬化性疾患予防ガイドライン2012年版』によって脂質異常症の診断基準は定義されています。

ご自分の血清脂質の検査値が、以下のいずれかだと脂質異常症です。

  • 悪玉コレステロール(LDLコレステロール)—————140mg/dl以上
  • 善玉コレステロール(HHLコレステロール)—————40mg/dl未満
  • 中性脂肪(トリグリセライド)———————————-150mg/dl以上

※空腹時に採血したデータを使います。

出典:日本動脈硬化学会 一般の方々向け 動脈硬化の病気を防ぐガイドブック

※ 10~12時間以上の絶食を「空腹時」とします(ただし、水やお茶などのカロリーのない水分を飲むのは問題ないとします)。
※ LDLコレステロール、HDLコレステロールは食後でもほとんど影響を受けません
※ 中性脂肪は食後に増加し、4~6時間後にピークとなります。また、アルコールでも中性脂肪は増加し、12時間後にピークになります。中性脂肪とアルコールを同時に摂取した場合、12時間以降も中性脂肪は増加します。

 

3.脂質異常症だと、どんな病気になりやすいの?

全身の血管の動脈硬化が徐々に進み、これが原因で心筋梗塞や脳梗塞などの病気になります。

 

4.脂質異常症の原因

主に遺伝子因子によるものを原発性脂質異常症、生活習慣やその他のさまざまな原因によるものを二次性脂質異常症といいます。

  1. 原発性(遺伝性、原因不明、家族性高脂血症)
  2. 二次性(生活習慣の乱れ(過食、運動不足、喫煙)、基礎疾患(糖尿病など)によるもの、薬剤によるもの)

※原発性:その臓器や器官自体が原因として引き起こされる場合をいいます。
※二次性:他の臓器や器官が原因として二次的に引き起こされる場合をいいます。

 

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それでは今回は以上です。