こんにちは、現役医療従事者の『とってぃ』といいます。
この記事では、古くから知られているグルテンが原因で起こるセリアック病とはいったいどんな病気なのかを説明したいと思います。
目次
1.グルテンが原因で起こる疾患「セリアック病」とは自己免疫疾患の一つ
セリアック病は、グルテンの摂取が小腸の損傷をもたらす遺伝的に素因がある人々において起こり得る重大な自己免疫疾患である。
これだけじゃ、何のことかよくわからないですよね。
簡単に言うと
セリアック病とは小麦などの穀物に含まれるグルテンが引き金となって小腸が損傷する自己免疫疾患のことです。
順を追って説明します。
1.1.セリアック病とはグルテン関連障害のうちの一つ

グルテンが引き起こす病気は、セリアック病だけでなく、小麦アレルギーとグルテン過敏症があります。これら3つは明確に違うので、ごっちゃにならないように注意してください。
- セリアック病 ⇒ 自己免疫疾患
- 小麦アレルギー ⇒ アレルギー
- グルテン過敏症 ⇒ 自己免疫疾患でもアレルギーでもない
セリアック病はれっきとした医学的病名であり、医師の診断と治療が必要になります。セリアック病は生まれつきとも限らず、年齢を重ねて発症することもあります。
1.2.自己免疫疾患とは
自己免疫疾患とは、免疫系が間違って自分自身の身体を攻撃してしまう病気のこと |
セリアック病では、免疫系が自分自身の小腸を攻撃して破壊します。その結果、腸は正常な機能を果たすことができなくなります。
1.3.セリアック病で破壊されてしまう腸の機能
セリアック病によって腸が破壊されてしまうということなんですが、腸の機能は主に以下の2つです。
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これらが正常におこなうことができなくなることで、様々な症状が起きるというわけです。
2.【症状】セリアック病になるとどうなる?
セリアック病では腸が破壊され、腸が正常な機能を果たせなくなります。そのため、以下の問題がおこってしまいます。
- 食べ物から栄養素をうまく吸収することができず、栄養失調になります。
- 破壊された腸から身体にとって異物である未消化の食べ物が血液に侵入し全身に運ばれ、免疫反応が起こり全身で炎症が起こります。
- 破壊された腸から毒素や病原体が血液に侵入し全身に運ばれ、免疫反応が起こり全身で炎症が起こります。
症状としては、小児と成人でやや異なっています。
2.1.小児の症状
小児によくみられる症状は、栄養素の吸収不良にる発育不全、嘔吐、腹部の腫れ、行動の変化などです。
2.2.成人の症状
症状はさまざまで、消化器症状が起きるとは限りません。むしろ消化器症状がまったくでないことが多いです。多くは筋力低下と食欲不振がみられます。下痢もよくみられます。
小児・成人共通の症状として、以下にまとめておきます。症状は多岐にわたるので、一概にこれという風にいうことができないのが、セリアック病の症状の特徴でもあります。
- 再発性の腫れ、ガス、腹痛
- 慢性の下痢あるいは便秘、あるいは、その両方
- 不明体重喪失あるいは体重増加
- 青白い、臭いにおいがする大便
- 不明貧血
- 骨あるいは関節痛
- 態度変化/うつ状態/被刺激性
- ビタミンK欠乏症
- 疲労、衰弱あるいはエネルギーの欠如
- 発育や思春期の兆候の遅れ
- 成長障害(乳児)
- 月経期間の逸失
- 男性および女性の不妊症
- 自然発生的な流産
- 口の中の口囲潰瘍
- エナメル質(ほうろう質)の歯退色あるいは喪失
引用:アンブロシア株式会社
こうみると、便秘や下痢、腹痛、栄養障害といった消化器の異常が原因の症状だけでなく、疲労感、関節痛、不妊、うつや精神状態など、さまざまな身体のトラブルの原因にもなっていることがわかります。
セリアック病と診断されると、完全なグルテンフリーにするしか治療法はなく、少量のグルテンでも(例えば醤油)症状が出てしまう場合があります。
まとめ
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今回は以上です。セリアック病についてできるだけ分かりやすく説明しました。参考になれば幸いです。
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