あまりに気合の入りすぎた糖質制限で、すべての炭水化物(糖質)を悪だとみなし、徹底的に禁じてるストイックな人はいませんか?
しかし逆にそれが、死亡率を上げたり、心筋梗塞や脳卒中、糖尿病などの病気になるリスクが上がってしまうとする研究報告が多く発表されています。
『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』の著者であるUCLA助教授の津川友介氏によると、健康の良い炭水化物・悪い炭水化物があるとのことだそうで、その理由を東洋経済が記事にしてます。
今回はその記事の内容をまとめました。
多くのエビデンスが引用されている記事なので、非常に信頼性が高いと思います。
1.『最先端の医学では「白米は体に悪い」が常識だ』の記事の内容
1.1.玄米のような精製されていない炭水化物は体にいい
(前略)炭水化物の摂取量と死亡率の関係を評価したメタアナリシス(複数の研究結果をとりまとめることで一つひとつの研究では認められない関係性を明らかにする研究手法)によると、1日70gの茶色い炭水化物を摂取したグループは、茶色い炭水化物をほとんど食べないグループと比べて死亡率が22%低かった。
- 茶色い炭水化物とは?
米や小麦は、食べやすくするために精白(白っぽくなる)します。米だと精米と呼びます。
このように、精白された炭水化物は白っぽくなるので「白い炭水化物」、一方精白されていない炭水化物のことは「茶色い炭水化物」と呼んでいます。
ここで勘違いしてはいけないのは、精白されているかどうかが重要なのであって、実際に色が白いか茶色いかというのは関係ないということです。あくまで色はイメージです。
(前略)別のメタアナリシスによると、茶色い炭水化物の摂取量が多いグループ(1日2.5単位以上摂取)は、摂取量が少ないグループ(週に2単位未満)と比べて心筋梗塞や脳卒中といった動脈硬化によって起こる病気になるリスクが21%低かった。
茶色い炭水化物の摂取により糖尿病のリスクが下がることも複数の研究結果によって明らかとなっている。玄米を多く食べる人たち(週に200g以上摂取)は、玄米をほとんど食べない人たち(摂取量が月に100g未満)と比べて糖尿病になるリスクが11%低かった。
この研究によると、1日50gの白米を玄米に置き換えることで糖尿病のリスクを36%下げることができると推定された。
ようするに、健康のためにと思ってやっている過激な糖質制限で精製されていない茶色い炭水化物をまったく食べないと、逆に心筋梗塞や脳卒中、糖尿病などの病気のリスクを上げてしまうということです。
糖質制限の一般的な効果はをまとめたツイート
【まとめ】糖質を制限することで得られるメリット
1.糖尿病の予防
2.すでに糖尿病の人は、合併所の予防(腎不全、網膜症、神経症)
3.肥満の解消
4.高血圧改善
5.アルツハイマー病の予防
6.片頭痛改善
7.花粉症やアレルギー性鼻炎、喘息などのアレルギー性疾患の改善— とってぃ/現役医療従事者兼ブロガー (@totthi1991) March 31, 2018
糖質制限によって一般的にこれらのメリットが得られるといわれていますが、間違った糖質制限は逆に病気のリスクを高めてしまうということです。
1.2.白米は少量でも体に悪い

この棒グラフは、横軸を白米摂取量、縦軸を糖尿病のリスクを表しています。糖尿病の相対リスクが1.24ということは、糖尿病になるリスクが24%高いことを意味しています。
この棒グラフをみれば、白米を食べると糖尿病のリスクが上がるというのが一目瞭然です。さらに女性に関していうと、白米に摂取量と糖尿病のリスクが完全に比例してしまっています。
(前略)白米の摂取量が1杯(158g)増えるごとに糖尿病になるリスクが11%増えるとされた。
日本人の心、それは『お米』といわれるくらい、日本人とお米は切っても切り離せない関係にありますが、
そんなお米大好きの日本人を対象とした研究でも同様の結果が得られています。
(前略)日本人においても白米の摂取量が多ければ多いほど糖尿病になる可能性が高くなることが明らかになった。
この記事を執筆した津川友介氏によると、個人的に白米と糖尿病リスクの関係は正の相関があると考えているらしく、できるだけ白米を食べる量は減らしたほうがよいとのことです。
白米を食べるくらいなら、絶対に玄米!ということです。
まとめ
今回の東洋経済ONLINの記事では、間違った糖質制限に対して警鐘を鳴らしています。
一般的に糖質制限は、糖質が多く含まれている炭水化物を一括して悪だとみなす風潮がありますよね。
しかし、この記事を執筆した『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』の著者であるUCLA助教授の津川友介氏によると、
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とのことだそうです。しっかりとエビデンスに基づいているので十分に信用できる内容だと思います。
ストイックな性格柄、あまりに厳しい糖質制限をやってる人もなかにはいるんではないでしょうか?
しかし最新の研究によると、死亡率や病気の予防という観点からみるとむしろ玄米など精製されていない炭水化物は食べたほうがいいとのことです。
でもやはり玄米といえども、白米とほぼ変わらない糖質が含まれているので血糖値は確実に上がります。そう考えると、どれだけ食べるのか、というのが大事だと個人的には思います。
糖質制限において敵であるお米は、まったく食べないというのではなく、自分の体調をみながら、少量ずつ試してもいいのでは?と思わせる記事でした。
補足
精製された炭水化物である『砂糖』は、体に悪いとしてアジア各国が税金をかけて砂糖消費を減らそうとしています。
2018年4月3日付の日本経済新聞によると、アジアで砂糖税が広がっているとのことです。具体的にはタイ、フィリピン、インドでは実際に砂糖税が導入されていて、インドネシアやベトナムでも課税を検討しているそうです。
理由としては、肥満防止による医療費増加を食い止めたいからのようです。
— とってぃ/現役医療従事者兼ブロガー (@totthi1991) April 4, 2018
こちらの記事「【日本経済新聞】『「砂糖税」がアジアで広がる!?』その理由と目的とは?」でまとめているのでよかったらぜひ読んでみてください。
やはり精製された炭水化物は体に悪いというのは、世界各国共通の認識としてもっているようです。
精製された砂糖が大量に使用された甘いケーキやスイーツが嗜好品であるのは、一般の認識としても十分に周知されていますよ。
一方、おなじように精製された炭水化物である白米やパン、うどん、ラーメンなどは日本人の主食として定着しています。これらはしっかり食べなきゃいけない!という認識ですよね。
しかし今後、甘いスイーツと同じように白米なども嗜好品として扱われる未来もそう遠くないかもしれません。
ちなみに白米の栄養成分のほとんどは糖質です。
それはこちらの記事「お米(白米)は糖質の塊で栄養価が低く身体に悪い」でまとめています。
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございます。
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