高血圧の基準をわかりやすく解説します【年齢は関係ありません】

高血圧の基準を知りたい人「高血圧の基準って年齢や持病なんかによって違うの?」

この疑問に答えます。

本記事の内容

  • 高血圧の基準
  • 高血圧の降圧目標

この記事を書いている僕は、現役の医療従事者です。

高血圧というのは、日本では4,300万人もいるといわれていますが、高血圧の基準については十分に知られていません。
年齢によって違うのか、あるいは持病によって変わるのか・・・などなど。

そこで本記事では、高血圧の基準を解説したいと思います。

高血圧の基準は年齢によって違うのか?

高血圧の基準は、年齢や持病によって違うのではなく、測定する条件によって違っています。

日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン2014」によると、高血圧の診断基準は年齢に関係なく、診察室での測定で、最高血圧140mmHg以上、または最低血圧90mmHg以上です。つまり、最高血圧か最低血圧のどちらかだけでも超えていれば高血圧と診断されます。

家庭血圧の場合、最高血圧135mmHg以上、または最低血圧85mmHg以上のどちらかを満たしていれば高血圧と診断されます。

高血圧の基準

  • 診察室で測る血圧が、最高血圧140mmHg以上、または最低血圧90mmHg以上で高血圧です。
  • 家庭で測る血圧が、最高血圧135mmHg以上、または最低血圧85mmHg以上で高血圧です。

つまり、90歳の人でも、20歳の人でも診察室で測る血圧の最高血圧が140mmHg以上あれば高血圧となります。

血圧値の分類【高血圧は3段階に分けられます】

上記の表は、病院の血圧(診察室血圧)に対する血圧値の分類です。

※ 赤字部分が一般的に高血圧といわれています。

一般的に、病院で血圧を測ると、緊張のためか家庭よりも高めの数値になることが多く、家庭で測る血圧(家庭血圧)の高血圧の基準値は最高血圧135mmHg以上、または最低血圧85mmHg以上と5mmHずつ低くなっています。

※ 日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン2014」では、高血圧をⅠ度、Ⅱ度、Ⅲ度の3段階に分けています。正常高値血圧というのは、「高血圧の一歩手前で、注意が必要なレベル」という意味で、高血圧予備軍の段階です。(孤立性)収縮期高血圧というのは、最高血圧のみがとくに高いもので、動脈硬化のすすんだ高齢者に多いです。

高血圧の降圧目標【年齢や持病によって違っています】

高血圧の基準は年齢や持病に関係なく同じで、測定する条件によって違っています。

高血圧の基準

  • 診察室で測る血圧が、最高血圧140mmHg以上、または最低血圧90mmHg以上で高血圧です。
  • 家庭で測る血圧が、最高血圧135mmHg以上、または最低血圧85mmHg以上で高血圧です。

ただし、高血圧の降圧目標は、年齢や持病によって変わってきます。

一般的な降圧目標は140/90mmHg未満とされています。

しかし、心血管病のリスクが高い糖尿病、蛋白尿陽性のCKD患者では、130/80mmHg未満を降圧目標としています。

CKDや糖尿病のある人では、脳卒中や心筋梗塞のリスクが高いため、より血圧を下げて、これらの疾患を予防するために厳格な降圧目標となっています。

臓器障害を伴うことの多い後期高齢者では、150/90mmHg未満を降圧目標として慎重に降圧治療を進め、最終的な降圧目標は140/90mmHg未満としています。

 

参考になる動画

高血圧の概要についてサクッと知りたい人はこの動画が参考になりますので興味のある人はぜひご覧ください。

ということで今回は以上です。