腸内細菌の分類と種類を世界一わかりやすく解説してみた

「乳酸菌といった腸内細菌の種類や分類について、根本的なところから知りたい」

 

 

本記事ではこの疑問に答えます。

本記事の内容
  • 腸内細菌の種類や分類について基礎から解説
  • 細菌の名前のつけ方【市販の乳酸菌飲料を例に紹介】
  • 腸内環境には個人差があるので、自分にあったものをみつけるのが大事

この記事を書いている僕は、総合病院に勤めている現役の医療従事者です。

最近、腸内細菌サプリを試してみたところ、毎日快便という僕にとってはあり得ないことが起こりましたので、腸内細菌の凄さに感動し、その分類や種類について調べてみました。

3分ほどでサクッと読めるようにまとめています。

この記事を読めば、市販の乳酸菌飲料のパッケージに書かれている細菌の種類の見方がわかるようにります。

1.腸内細菌の種類や分類

結論をいうと、人間の腸内にいる腸内細菌は、主に以下の4つの門に属する細菌で大半(99%以上)が占められています(1,2)。

腸内細菌の大半が属する分類階級
  • Firmicutes(フィルミクテス門)
  • Bacteroidetes(バクテロイデス門)
  • Actinobacteria(アクチノバクテリア門)
  • Proteobacteria(プロテオバクテリア門)
これだけではなんのことだかわからないと思うので順を追って説明します。

補足
地球上に現存する生物のすべては「細菌ドメイン」「古細菌ドメイン」「真核生物ドメイン」のいずれかに分類されます(⇒三ドメイン説)。
以降は、「界」→「門」→「綱」→「目」という風に細分化されていきます。

1.1.まずは生物の分類について

地球上に現存する生物のすべては「ドメイン、界、門、綱、目、科、属、種」の8段階に分けられています。

ピラミッドの頂上にあるドメインとは、「界」よりも上の、もっとも高いランクの階級のことです(詳細を知りたい人は下記の記事をごらんください)。

三ドメイン説による生物の分類とは【古細菌・真正細菌・真核細胞】

2018年10月14日
補足
種があつまって属。
属があつまって科。
科があつまって目。
という風に小さな枠組みが徐々に合わさって大きくなっていきます。
ですので、もっとも大きな枠組みが「ドメイン」となります。

私たち人間(=「ホモ・サピエンス」)と乳酸菌の一種である「ラクトバチルス・ヘルベティカス」を実際に分類すると以下の表のようになります。

Homo sapiens
(ホモ・サピエンス)
Lactobacillus helveticus
(ラクトバチルス・ヘルベティカス)
ドメインEucarya
(真核生物ドメイン)
Bacteria
Animalia
(動物界)
Bacteria
Chordata
(脊索動物門)
Firmicutes
Mammalia
(ほ乳綱)
Bacilli
 Primates
霊長目,サル目,霊長類)
Lactobacillales
Hominidae
(ヒト科)
Lactobacillaceae
 Homo
(ヒト属)
Lactobacillus
sapiens
サピエンス)
helveticus

参考サイト:生物分類表

「門」というのは分類階級の上から3番目のもので、乳酸菌の一種の「ラクトバチルス・ヘルベティカス」の場合は、「Firmicutes」がこの細菌の「門」ということになります。

1.2.ほとんどの腸内細菌が属している「門」は4つにしぼられます

冒頭のほうでも説明したように、人間の腸内にいる腸内細菌のほとんどは以下の「4つの門」のいずれかに属しています。

腸内細菌が属する4つの代表的な門
  • Firmicutes(フィルミクテス門)
  • Bacteroidetes(バクテロイデス門)
  • Actinobacteria(アクチノバクテリア門)
  • Proteobacteria(プロテオバクテリア門)

ちなみに、腸内細菌が属するドメインは「細菌ドメイン」で、界は「原核生物界」です。

2.細菌の名前のつけ方【学名】

ここでいったん、細菌の正式な名前である学名のつけ方を説明したいと思います。

例えば、私たちは日本語で大腸菌などといっていますが、これは和名です。学名では「Escherichia Coli(イーコリ)」と呼びます。

学名だと難しく感じるかもしれませんが、学名は世界共通なのでとても大切です。

そんな学名は「リンネの二名法」によってつけられます。

細菌の学名のつけ方【リンネの二名法】
  1. 「属名」+「種形容語」で構成
  2. ラテン語表記
  3. イタリック体で表記

参考:https://totthi.com/wp-content/uploads/2018/10/9af2abc00666fc6dcc613249b5ed932d.pdf

例えば、上の表の大腸菌の場合、「属」と「種」は以下のとおりです。

大腸菌の「属」と「種」
  • 属 → Escherichia
  • 種 → Coli
ですので、大腸菌の学名は「Escherichia Coli(イーコリ)」となるわけです。

3.細菌の分類「種」よりも下の「株」について

大腸菌の学名は「Escherichia Coli(イーコリ)」です。

大腸菌の「属」と「種」
  • 属 → Escherichia
  • 種 → Coli

そして細菌の世界の場合、「種」の後ろに「株」がつく場合があります。

これが意外と大事です。

「種」までが同じでも「株」が違えば作用はまったく違ってくる場合があるからです。

例えば、AさんとBさんは同じ「ホモ・サピエンス」ですが、それぞれ外見や能力に差がありますよね。その違いを「株」といいます。

細菌の「株」の違いは、個々の人間の違い以上に差があります。

補足1
一つの「種」につき数種類の「株」があります。
「種」は遺伝的・生理学的に同類であることによって分類されます。
「株」についても、遺伝的に微妙に違っているので、働きがそれぞれ違います。
補足2
「株」の名前は、分離した研究者などが自由に決めてよいことになっています。

3.1.雪印メグミルクの「恵 megumi ガセリ菌SP株ヨーグルト ドリンクタイプ」

こちらの商品に含まれる細菌の種類は以下のとおりです。

Lactobacillus gasseri SBT2055
  • 門 → Firmcutes(フィルミクテス門)
  • 属 → Lactobacillus(ラクトバシラス属)
  • 種 → gasseri(ガゼリ種)
  • 株 → SBT2055株

雪印メグミルク株式会社のミルクサイエンス研究所が人の腸から分離培養した乳酸菌。「SP株」は雪印メグミルク株式会社が付けた通称(「スノープロバイオティクス」の略、スノーは雪印から)。

引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AC%E3%82%BB%E3%83%AA%E8%8F%8CSP%E6%A0%AA

3.2.カルピスの「届く強さの乳酸菌」 

こちらの商品に含まれる細菌の種類は以下のとおりです。

Lactobacillus gasseri CP2305株
  • 門 → Firmcutes(フィルミクテス門)
  • 属 → Lactobacillus(ラクトバシラス属)
  • 種 → gasseri(ガゼリ種)
  • 株 → CP2305株

カルピス株式会社(本社:東京都渋谷区、社長:山田藤男)発酵応用研究所は、カルピス社保有の乳酸菌Lactobacillus gasseri CP2305株(以下、「プレミアガセリ菌CP2305」)が、腸から脳への神経伝達を通じて中枢神経へ働きかけること(脳腸相関*)で、整腸効果や安眠効果などの有益な生体機能調節*作用を発現することを確認しました。

引用:https://www.asahicalpis-w.co.jp/company/press/2015/20140908/

という風な感じで、メグミルク株式会社もカルピス株式会社も同じ種の細菌(Lactobacillus gasser)を使っていますが、「株」の種類がそれぞれ違っていることがわかるかと思います。

それぞれ、うたっている効能や効果に特徴がありますので、腸内細菌を摂るときは「株」にまで注目してみるといいかもしれません。

腸内環境には個人差があるので、腸内細菌の種類によって効果に大きな個人差が出るといわれています。ですので、1週間ほど試してみて、効果があればそれが自分に合った腸内細菌だとわかります。

それでは今回は以上です。

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2018年10月3日