鉄って身体にどれくらいの量があるの?【体内分布・種類】

「鉄が身体にとって重要って聞いたけど、そもそも鉄って何?身体にどれだけの量があるの?」

本記事ではこの疑問に答えます。

1.鉄(Fe)ってそもそも何?

鉄(iron)は金属元素のひとつです。

鉄(iron)
  • 元素記号:Fe
  • 原子番号:26
  • 原子量:55.85
  • 比重:7.86

鉄は非常に不安定な物質なので、自然界で単体で存在することはなく、化合物として土壌、岩石、鉱物中などに存在しています。

1.1.わたしたちの身体にとって必要な「ミネラル」としての鉄

鉄はミネラルの一つです。

補足

ミネラルとは五大栄養素の一つで、ビタミンと同じくカロリーはありません。

しかし、わたしたちの身体にとって重要な働きをしており欠かすことができません。

鉄は、とくに赤血球とのかかわりが深いですが、それ以外にも、エネルギー代謝、骨やコラーゲンの生合成、筋肉のミオグロビン、神経伝達物質など活躍の幅は広いです。

鉄の役割
  • エネルギー代謝
  • 骨やコラーゲンの生合成
  • 筋肉のミオグロビンの成分
  • 神経伝達物質

そんな重要な鉄なんですが、潜在的に不足している人が多いといわれています。

一説によると、鉄分が不足している人は、世界で30億人にもなるといわれているみたいです。

鉄分不足は見逃されやすい

鉄分の不足による貧血は、熱がでたり、咳がでたりといったわかりやすい症状がありません。そのため「なんだか調子が悪い・・・」程度で見過ごされやすいので注意が必要です。

2.体内にある鉄の量

健常な人の体内の鉄の量は約3~4gで、女性のほうがやや少なめ傾向にあります。

2.1.鉄の体内分布

鉄の体内分布は以下のとおりです。

鉄の体内分布
  • ヘモグロビン鉄:6~7割
  • 貯蔵鉄(主に肝臓):2~3割
  • 組織鉄(酵素中の鉄、ミオグロビン鉄):少量
  • 血清鉄(トランスフェリンと結合した鉄):少量

鉄のおおくは、ヘモグロビン鉄として、ヘモグロビンの中にあります。

残りは、肝臓や脾臓などに貯蔵鉄(主に肝臓)として蓄えられています。

ごく微量に、筋肉や皮膚にある組織鉄、血液中を流れている血清鉄があります。

3.体内にある鉄の種類

3.1.ヘモグロビン鉄

鉄のおおく(約6~7割)は、ヘモグロビンの中に含まれています。

補足
ヘモグロビンは赤血球の中に含まれていて、酸素を運ぶ役割を担っています。

そのヘモグロビンの構造は、ヘム(ここに鉄が含まれています)とグロビンといわれるたんぱく質が結合したものです。

このヘモグロビンの中に含まれる鉄が、酸素と結合することで全身に酸素を運んでいます。

ヘモグロビンの基準値
男性13~17g/dl
女性11~16g/dl
施設により基準値は違うので、目安として参考にしてください。

ちなみに、ヘモグロビンの値が小さくなった状態のことを「貧血」といいます。

3.2.貯蔵鉄

貯蔵鉄は、肝臓や脾臓に蓄えられている鉄のことです。

体内にある鉄の約3割は、肝臓や脾臓(主に肝臓)にフェリチンという形で貯蔵されています。

補足
フェリチンとは、アポフェリチンというたんぱく質とFe2+が結合した水溶性のたんぱく質のことです。

フェリチンは、一定の割合で血液中に溶けだし、血清フェリチンとして採血で測定でき、体内の貯蔵鉄の量の指標となります。

フェリチンの基準値
男性17.0~291.5ng/ml
女性6.4~167.1ng/ml
施設により基準値は違うので、目安として参考にしてください。

3.3.組織鉄

組織鉄とは、ミオグロビンや酵素に含まれている鉄のことです。

3.4.血清鉄

鉄は単体では反応性が高く、有害なので、血液中ではトランスフェリンと結合しています。これを血清鉄と呼びます。

補足
トランスフェリンは血液中の鉄輸送たんぱく質で、1分子のトランスフェリンに2つのFe3+が結合します。
血清とは、血液の液体成分のことです。

血清鉄とは血液の液体成分に含まれる鉄のこと(ヘモグロビンの中に含まれる鉄を除く)で、その量は、体内の鉄の総量の約0.1%とごく微量です。

  • TIBC(総鉄結合能)は、すべてのトランスフェリンに結合可能な鉄の量のことです。
  • UIBC(不飽和鉄結合能)は、トランスフェリンがあとどれだけの鉄と結合できるのかの鉄の量のことです。

ですので、以下の関係式が成立します。
TIBC=UIBC+血清鉄

  • TIBC:体内にあるすべてのトランスフェリンに結合可能な鉄の量
  • UIBC:トランスフェリンがあとどれだけの鉄と結合可能なのかの鉄の量
  • 血清鉄:トランスフェリンと結合している鉄の量
血清鉄の基準値
男性54~200μg/dl
女性48~154μg/dl
施設により基準値は違うので、目安として参考にしてください。
鉄分が不足した場合・・・
何らかの理由でヘモグロビンをつくる鉄が不足すると、まず貯蔵鉄が使われ始めます。それでも足りない時は“血清中の鉄”が使われ、さらに足りない場合は“組織鉄”までも使われるようになります。

このように鉄分が足りなくなると、まずフェリチンの減少→血清鉄の減少→ヘモグロビンの減少という順番に経過していきます。

4.鉄不足の症状

鉄不足の症状として、やる気がでない、イライラ、動悸、倦怠感、寝起きが悪い、ふらつき、めまい、息切れなどがあります。

この本を読めば翌日からレバーを食べていることでしょう。

それくらい、鉄というミネラルが身体にとって重要で、鉄は単なる貧血の原因ではなく、気分といった精神状態にまで影響しているということを教えてくれます。

それでは今回は以上です。

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