
「悪玉コレステロールと善玉コレステロールの違いってなに?」
この疑問に答えます。
目次
1.コレステロールにはそもそも一種類しかありません

まず、コレステロールに種類はありません。
「コレステロールには、悪玉コレステロールと善玉コレステロールの2種類あるんじゃないの?」
そう思ってる人も多いかもしれませんが、悪玉だろうと善玉だろうと、実はコレステロール自体はまったく同じものです。
コレステロールはコレステロールなのです。
2.悪玉コレステロールと善玉コレステロールの違い

悪玉コレステロールと善玉コレステロールの違いは、結合しているリポたんぱく質の種類が違います。
2-1.コレステロールが乗っている船(リポたんぱく質)の違いで、悪玉と善玉に分けられている
そもそも、コレステロールは脂溶性なので水に溶けません。
つまり、コレステロールは血管やリンパ管のなかで、コレステロール単体のままでは移動することができないということです。
そのため、血液中をコレステロールが移動するための運搬役が必要となってきます。
その運搬役となるものが「リポたんぱく質」です。
イメージとして、「リポたんぱく質=船」「コレステロール=乗客」だと思ってもらえればいいです。
まとめると、コレステロールは「リポたんぱく質」と結合することで、ようやく血液中を移動できるようになるということです。
2-2.リポたんぱく質とは

引用:SGS総合栄養学院
リポたんぱく質は球状のボールをイメージしてもらうと分かりやすいです。
この球状のボールの中に、中性脂肪やコレステロールが入っています(上の画像参照)。
ちなみに、リポたんぱく質の表面は、アポたんぱく質とリン脂質で構成されていて、親水性になっています。なので血液中を移動することができます。
リポたんぱく質の種類
比重の違いにより大きく下の4つに分けられます。
- カイロミクロン
- VLDL(超低比重リポたんぱく質)
- LDL(低比重リポたんぱく質)
- HDL(高比重リポたんぱく質)
悪玉コレステロールと善玉コレステロールの違いは、この運搬役のリポたんぱく質の種類の違いということになります。ただそれだけの話しです。
3.悪玉コレステロールとは?
LDLに含まれるコレステロール(LDLコレステロール)は”悪玉コレステロール”、HDLに含まれるコレステロール(HDLコレステロール)は”善玉コレステロール”とよばれる。
LDLというのが「リポたんぱく質」のことです。
英語で、Low Density Lipoproteinの略で、直訳すると「低密度リポたんぱく質」です。
このLDLというリポたんぱく質の中に入っているコレステロールのことを、LDLコレステロールといいます。別名「悪玉コレステロール」です。
LDL=悪玉コレステロールではないので注意してください(LDLは、あくまでリポたんぱく質のことです)。
悪玉といわれる理由は、増えすぎると心筋梗塞や脳梗塞の原因になり、健康を害するからです。
3-1.悪玉コレステロールの役割
悪玉コレステロールの役割は、全身にコレステロールを供給することです。
コレステロール本来の役割は、全身の細胞、ステロイドホルモン、胆汁酸などの材料となることなので、非常に大切です。にもかかわらず、悪玉コレステロールという風に、悪いイメージの名称がつけられていますが、決して身体に悪いものではありません。
ただし、悪玉コレステロールが増えすぎてしまうと、全身にコレステロールを供給しすぎて、血管の壁に張り付き、動脈硬化などの原因になります。
4.善玉コレステロールとは?
LDLに含まれるコレステロール(LDLコレステロール)は”悪玉コレステロール”、HDLに含まれるコレステロール(HDLコレステロール)は”善玉コレステロール”とよばれる。
HDLというのが「リポたんぱく質」のことです。
英語で、High Density Lipoproteinの略で、直訳すると「高密度リポたんぱく質」です。
このHDLというリポたんぱく質の中に入っているコレステロールのことを、HDLコレステロールといいます。別名「善玉コレステロール」です。
4-1.善玉コレステロールの役割
善玉コレステロールの役割は、全身の余ったコレステロールを回収することです。
善玉コレステロールが少ないと、余ったコレステロールを回収できず、動脈硬化のリスクが上がります。
ポイント
- 悪玉コレステロールは多すぎると危険
- 善玉コレステロールは少なすぎると危険
まとめ:悪玉コレステロールと善玉コレステロールの違い
本記事の内容をまとめます。
悪玉と善玉のコレステロールの種類はなく、コレステロールは全て同じものです。
悪玉コレステロールと善玉コレステロールの違い
リポたんぱく質の種類
比重の違いにより大きく下の4つに分けられます。
- カイロミクロン
- VLDL(超低比重リポたんぱく質)
- LDL(低比重リポたんぱく質)
- HDL(高比重リポたんぱく質)
LDLというリポたんぱく質に結合しているコレステロールのことを、悪玉コレステロールといいます。
HDLというリポたんぱく質に結合しているコレステロールのことを、善玉コレステロールといいます。
例えるなら、
LDLやHDL(リポたんぱく質) | ➡ | 船 |
コレステロール | ➡ | 乗客 |
だと思ってもらえればイメージしやすいと思います。
- LDLという船に乗っているコレステロール(乗客)のことを、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)といいます。
- HDLという船に乗っているコレステロール(乗客)のことを、善玉コレステロール(HDLコレステロール)といいます。
「LDL」や「HDL」はコレステロールを輸送するための船であって、コレステロールそのものを指すわけではありません。
つまり、
- LDL ≠ 悪玉コレステロール
- HDL ≠ 善玉コレステロール
だということです。
LDLやHDLのことをコレステロールというのは、乗客(コレステロール)を乗せた船(LDLやHDL)を、まとめて乗客といっているのと同じくらい変な言い方です。注意しましょう。
それでは今回は以上です。
コメントを残す