本記事ではパレオダイエットとはいったいなんなのか、その概要をわかりやすくまとめています。
- パレオダイエットとは?旧石器時代のライフスタイルがベース??
- パレオダイエットの効果・メリット
- パレオダイエットの基本ルール(食事)
- パレオダイエットと糖質制限の違いは?
目次
1.パレオダイエットとは?

パレオダイエットの「パレオ」とは、「paleolithic(パレオリシック)」の略で旧石器時代という意味があります。
つまり、パレオダイエット直訳すると「旧石器時代の食事法」となります。
ですので、パレオダイエットは旧石器時代の人類のライフスタイル(食事や生活)をベースとしています。
パレオダイエットの考え方の根底として、「人類が長年にわたって経験してきたライフスタイルは健康にいいはずだ」というのがあります。
パレオダイエットは、1970年代にウォルター・ヴォーグトリン医師が考案したダイエット法です。
アメリカやヨーロッパでは人気が高く、専門のレストランや雑誌がつくられてるほどです。
また、アンジョリーナ・ジョリー、ミーガン・フォックス、スカーレット・ヨハンソン、オリンピック選手など海外の有名人やスポーツ選手にも実践者が多いです。
1.1.旧石器時代の人類の食事って?
旧石器時代は、人類が誕生した250万年前から1万年前の期間のことです。
このころの人類は、草原で野生の動物や魚を狩りながら、木の実や根菜などをあつめて暮らしていました。
いわゆる狩猟採集生活です。
- 野生動物や魚 → この部分でカロリーの半数以上を占めていた
- 昆虫
- 植物(木の実や根菜など)
1.2.狩猟採集民の特徴
古代の狩猟採集民がどういう生活をしていたのか詳しいことはわかっていません。
ですので、パレオダイエットでは主に現代の狩猟採集民の食生活を参考にしています。
現代でも、アフリカや南太平洋の島、熱帯雨林などにいくつかの小さな狩猟採集民の集団が存在しています。
1990年代、人類学者たちが実際にタンザニアのハッツァ族やパプアニューギニアのキタバ族といった狩猟採集民のライフスタイルを詳しく調査した結果、以下のことがわかりました。
- 肥満はいない
- ニキビで悩む人はいない
- 虫歯や歯周病の人はいない
- スリムで自然と腹筋が割れている
- ガン、糖尿病、心疾患といった慢性疾患はほとんどない
- コレステロール、中性脂肪などの血液データも問題ない
- 鬱病がいない
このように、狩猟採集民は私たちが悩む様々な問題とは無縁の生活をしています。
1.3.狩猟採集民のライフスタイル
狩猟採集民は、自然の中で暮らし、自然にあるものを自らの足で探して食べています。
そんな狩猟採集民のライフスタイルの特徴をまとめると以下のようになります。
- 自然に近い状態の肉、野菜、フルーツを食べる
- 加工食品は食べない
- 朝食は食べない(起きてすぐに朝食をとる狩猟採集民はほとんどいません)
- 朝は決まった時間に起きる
- 夜は人口の光にあたらない
- 自然音(川の音や風の音など)に囲まれている
- 狩猟採集するためによく歩く
2.パレオダイエットの効果・メリット

狩猟採集民のライフスタイルを参考にしたパレオダイエットをおこなうことで以下のメリットを受けることができます。
- 腹筋が割れた細マッチョ体型を維持できる
- 運動は週に30分で十分
- がん、糖尿病といった慢性疾患になりにくくなる
- お腹がいっぱいになるまで食べても大丈夫
- メンタルが強くなる
この加工食品は、私たちが思っている以上に危険な食べ物でして、私たちの食欲を暴走させて大量に食べさせるように工夫が凝らされています。
加工食品には大企業の長年の研究の成果がつまっています。
どういうことかといいますと、私たちの身体にとって大好物である「糖質・脂肪・塩」が絶妙な量で配合され、私たちの脳を興奮させて食べ過ぎさせるように工夫されているからです。
加工食品を食べることで食欲のリミットが外れて食べ過ぎてしまい、カロリー過多となって肥満になります。
パレオダイエットでは加工食品は極力避けますので、食欲の暴走が抑えられます。そして、私たちの身体にとって本当に必要な量の食べ物だけで満足できるようになります。そういう意味で、パレオダイエットではお腹がいっぱいになるまで食べても大丈夫というわけです。
3.パレオダイエットの基本ルール(食事)

パレオダイエットでは、狩猟採集民のライフスタイルを参考にしていて、主に「食事・運動・睡眠」が重要となってきますが、ここでは主に「食事」についてのみ記述します。
- 基本的に自炊をおこなう
- 朝食は食べない(食欲を抑える効果があるのでブラックコーヒーを飲みましょう)
- 料理はできるだけ低温調理
- 焼き物や揚げ物は少なめにする(茹でたり煮るのがベター)
- 調味料の油や砂糖は控えめに
- 市販の調味料は控え、スパイスを多用する
- 水分は、水、お茶、ブラックコーヒーのみ
- お酒は控える(飲むなら赤ワインを)
- 葉物野菜はなんでもいいのでしっかり食べる
- 炭水化物はジャガイモかさつまいもなどの芋類をメインにする(白米やパンなどは嗜好品という位置づけ)
- 毎食最低25gのたんぱく質を摂る
- たんぱく質:20~35%
- 脂質:30~55%
- 炭水化物:2~40%
三大栄養素のカロリー比率は上記のとおりですが、加工食品を避け、素材の形がわかるもの(とくに肉や魚、葉物野菜)を中心に食べていればそこまで神経質になる必要はありません。
以上の食事を2~3週間ほどおこなうと、異常な食欲がなくなるといわれています。
その結果、無理なく自然と痩せることができ、自然と腹筋が割れてきて健康的で引き締まった身体になります。
4.パレオダイエットと糖質制限の違いは?

ここまでの説明で、なんとなくバレオダイエットと糖質制限が似ていると思ったかもしれません。
しかし、パレオダイエットでは決して糖質を禁止しているわけではありません。
むしろ人間の身体が正常に機能するためには、糖質はある程度は必要だという考えです。
実際、狩猟採集民でも糖質が総カロリーの2割を下回る部族は存在しません。
(多くの部族は総カロリーの20~40%の間で糖質をとっています)
ただし、米や小麦(パンや麺類など)を主食として食べていいわけではありません(これらはあくまで嗜好品という位置づけ)。しかし、これら以外の根菜類(ニンジン、さつまいも、かぼちゃ、ゴボウなど)やフルーツは食べてもかまいません。
パレオダイエットの特徴(糖質制限との相違点)
- 白米やパンは食べてもいい(ただし、ほぼ糖質でできていて栄養価が低いので食べすぎはダメ。あくまで嗜好品という位置づけ)
- ジャガイモやさつまいもなどの芋類は食べてもいい
- 根菜類は(ニンジン、さつまいも、かぼちゃ、ゴボウなど)食べてもいい
- フルーツは食べてもいい
パレオダイエットにおける糖質の摂取目安としては、総カロリーの20~40%を目安にするのが無難です。
まとめ

パレオダイエットは、旧石器時代の狩猟採集民のライフスタイルを参考にしています。
狩猟採集民には、肥満、がん、糖尿病もほとんどありませんし、鬱といった精神病もありません。ほとんどの人が、健康的な引き締まった肉体をもち、イキイキと毎日を過ごしています。
ですので、パレオダイエットというのはわりと有効な方法だと思います。
そして考え方もシンプルで、できるだけ自然のままの状態の食品をしっかり食べてバランスよく栄養をとり、加工食品は避けるだけです。
特に、加工食品を避けることで、食欲の異常な暴走もなくなり、空腹感に悩まされることもなく無理なく自然と痩せることができます。また、糖質制限のように、糖質を極端に悪とすることもなく、適量であれば食べてもいいので、外食のときなんかでも食べられるものの幅が広がり、続けやすいと思います。