目次
1.朝に太陽光を浴びるメリット

1.1.サーカディアンリズムが整う
人間の身体は24時間のリズムで変化しています。
例えば、朝起きると目が覚めて血圧と心拍数が上がります。体温は起床後より徐々に上がり、昼過ぎから夜にかけてもっとも高くなります。そして夜になると眠くなり、成長ホルモンが多く分泌されるようになります。
こうした、体温、血圧、ホルモン、睡眠、代謝などは一定のリズムで調整されており、このリズムのことをサーカディアンリズム(体内時計)といいます。
このサーカディアンリズム(体内時計)のリズムを支配するのは脳の視床下部にある視交叉上核(しこうさじょうかく)、あるいは松果体にあります。
目の奥にある視交叉上核(しこうさじょうかく)という部分に太陽光があたると、サーカディアンリズム(体内時計)がリセットされて整います。
もし太陽光をまったく浴びなかけらば、少しずつサーカディアンリズム(体内時計)がずれてしまいます。
たとえば、海外旅行に出かけた時に「時差ボケ」で、眠気、頭痛、集中力が低下したりしますが、これはサーカディアンリズムのずれによって起きています。
1.2.セロトニンが分泌される
太陽光を浴びると、セロトニン分泌が活性化され、心身のバランスが整えられます。
セロトニンは脳の神経の伝達に必要な物質です。ドーパミンやノルアドレナリンをコントロールし、精神を安定させたりもします。
脳の神経細胞がつくりだす化学物質で、脳の神経細胞の間で情報をやりとりするときに使われるので『神経伝達物質』と呼ばれています。
具体的なセロトニンの効果といいますと、不安感をなくしたり、精神を安定させたり、落ち着かせたり、幸福感を生み出したりします。
私たちの負の感情である怒りや悲しみ、不安、恐怖などの感情にブレーキをかけ、人の気分、つまり精神状態をバランスの良い安定した状態に保ちます。
とにもかくにもセロトニンは、不安やストレスに負けずに心を強くするために必須の物質であるといえます。
このセロトニンが不足しますと、以下の症状があらわれてしまいます。
- 怒りっぽい、攻撃的な性格になる
- 落ち込みやすい
- 疲れやすい
- 偏頭痛がでる
- 寝つきが悪い
- 不安を感じやすい
- 無気力になる
- 他人とのかかわりを避けるようになる
などなど、精神的・身体的に多くのマイナスの症状があらわれます。
うつ病の原因の一つにはセロトニンの不足があるのでは?ともいわれてたりします。
2.散歩するメリット

2.1.頭が良くなる
脳を鍛えるには運動しかない! 最新科学でわかった脳細胞の増やし方
本書の著者である、ハーバード大学医学部准教授のジョンJ.レイティ氏は、以下のことをいっています。
このBDNFというのは、神経細胞を育てるための肥料みたいな役割を果たします。
(ちなみにセロトニンは神経細胞の間で情報を伝える役割をしています。)
当然、神経細胞を育ててるわけなので、神経細胞の機能が向上し頭が良くなります。
実際に、カリフォルニア大学アーヴァイン校のカール・コットマン氏のマウスの実験でも確かめられています(以下が実験の内容)。
コットマンのマウスたちは一晩に数キロメートルも走った。マウスは四グループに分けられた。二晩、四晩、七晩走るグループと、回し車を使わない対照群である。そしてその脳にBDNFと結合する標識分子を注入してスキャナで調べたところ、走ったマウスの脳では対照群よりBDNFが増えていて、長く走ったマウスほどその量は多かった。
引用:脳を鍛えるには運動しかない! 最新科学でわかった脳細胞の増やし方p36
2.2.朝からやる気スイッチが入る
歩くことでドーパミンが分泌されます。
運動するとすぐドーパミンの量が増え、しばらく定期的につづけると、脳の報酬中枢にあるニューロンが新たなドーパミン受容体を生み出し、さらに運動していこうという動機が芽生えてくる。
引用:脳を鍛えるには運動しかない! 最新科学でわかった脳細胞の増やし方p307
ドーパミンは別名「やる気ホルモン」なんて呼ばれてたりして、喜びや快楽に関係している神経伝達物質です。
また、ドーパミンは性格にも影響していまして、16名の被験者を調べてみたところ、ドーパミン量と外交的な性格が綺麗に相関していたとのことです(1)。
2.3.リズミカルな運動でセロトニンが分泌される
太陽光を浴びることでセロトニンが分泌されるということを最初のほうで書きましたが、リズミカルな運動でもセロトニンを分泌させることができます。
散歩のときには一定のリズムを意識して「イッチ、ニ、イッチ、ニ」と歩くことでセロトニンの分泌が促進します。
3.歩行禅でアイディアがわく
脳科学者の茂木健一郎氏によると、「歩行禅」で心身ともに健康になるとのことです。
イメージしずらい人は、「散歩の発展したもの」と捉えてください。
ただ1つ違う点は、散歩はあれこれ考えながら行いがちですが、歩行禅は、読んで字の如く、「歩きながら禅を行う」-つまりは”無”の境地で歩くことです。余計な邪念を持たず、ただひたすら何も考えずに歩きます。引用:脳を最高に活かせる人の朝時間p143
この「歩行禅」の効果は「ひらめき」だそうです。
私たちの脳には、「デフォルト・ネットワーク」という神経回路があります。特定の目的を持たない行動、端的にいうと、ボーっとすることでこの神経回路が起動します。
それによって、いったん頭の中をリセットすることができ、「ひらめき」つまり新しいアイディアが生まれやすくなります。
スティーブ・ジョブズ、アインシュタイン、フロイト、チャイコフスキー、ダーヴィンなど、歴史上の偉人たちで散歩を日課としていた人は多いです。
まとめ:朝に散歩をしよう
朝に散歩するメリットをまとめます。
- サーカディアンリズム(体内時計)が整う
- セロトニンが分泌される(太陽光+リズミカルな運動)
- 頭が良くなる
- 朝からやる気スイッチがはいる
- 歩行禅でアイディアがわく
かくいう僕も毎朝とはいきませんが、たしかに朝に30分ほどランニングをすると頭がスッキリしてクリアになるので、どんどんアイディアが湧いてくるような気がします。
嫌な気持ちとかストレスとかの解消にもなるのでおすすめです。
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