タンパク質とは?その定義や種類について

1.タンパク質の定義

タンパク質とは、20種類のアミノ酸が、数百~数千ほど結合してできた化合物のことです。

より詳しい説明は下記のとおりです。

たんぱく質(蛋白質、たん白質、タンパク質、protein)とは、20種類のL-アミノ酸がペプチド結合してできた化合物である。

引用:「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定委員会」報告書, たんぱく質(厚生労働省)

タンパク質は、遺伝子の情報にもとづいて、20種類のアミノ酸が特定の配列順序でペプチド結合した化合物です。

ただし、自然界には500種類ほどのアミノ酸が存在していますし、タンパク質の構成要素とならないアミノ酸も人体には存在しています。

補足
私たちの身体には、分子構造が違う2万数千種類以上ものタンパク質があります。

1.1.タンパク質の構成要素のアミノ酸について

アミノ酸とは
分子内に、アミノ基(-NH2カルボキシ基(-COOH)をもつ化合物のことを総称してアミノ酸といいます。

タンパク質を構成する20種類のアミノ酸のうち、グリシンを除くほかのアミノ酸には、L体(L-アミノ酸)とD体(D-アミノ酸)の2種類のアミノ酸があります。

L-アミノ酸とは
アミノ酸には、ちょうど私たちの右手と左手の関係のように鏡に映し出すと同じ構造になるものがあります(下図参照)。アミノ酸にも同じようなことがいえて、一方をL体、もう一方をD体といいます。つまり、L体とD体のアミノ酸の違いはその立体構造にあります。

参考:味の素『アミノ酸大百科』

右手と左手はどのように回転、裏返してもまったく同じように重ねることができません。

L体とD体のアミノ酸もこれと同じ関係になっています。

なお、タンパク質を構成するアミノ酸は、グリシンを除いてすべてL体(L-アミノ酸)です。

2.タンパク質の分類と種類

私たちの身体にあるタンパク質の種類は10万種以上あります。

そんな数多くあるタンパク質の一部をこれから紹介します。

たんぱく質の分類(大きく3つに分けることができます)
  1. 単純タンパク質・・・アミノ酸のみでできてる
  2. 複合タンパク質・・・アミノ酸以外にも他の化合物が含まれている
  3. 誘導タンパク質・・・単純タンパク質や複合タンパク質が熱や酵素によって変性したもの
  • タンパク質の種類
分類役割
①単純タンパク質血清アルブミン
  • 脂肪酸、胆汁色素、金属イオン、薬物の運搬
  • 血漿膠質浸透圧の3/4を担う
ペプシン
  • タンパク質を分解
トリプシン
  • タンパク質を分解
②複合タンパク質LDL
  • LDLはタンパク質と脂質の複合体で、肝臓で合成されたコレステロールを末梢組織に運ぶ
HDL
  • HDLはタンパク質と脂質の複合体で、末梢組織で余剰となったコレステロールを肝臓に運ぶ
アミラーゼ
  • でんぷん中のアミロースやアミロペクチンを、ブドウ糖、マルトース、オリゴ糖に分解
ヘモグロビン
  • 酸素と二酸化炭素の運搬をおこなう
フェリチン
  • 鉄の貯蔵をおこなう
シトクロム
  • 電子伝達系に関与
免疫グロブリン
  • 免疫に関与(略称:Ig)
③誘導タンパク質ゼラチン
  • 脊椎動物の骨や皮に多く含まれていて、人間の細胞と細胞の間をくまなく埋めて支えている

3.アミノ酸とは?+その種類

アミノ酸はタンパク質を構成する基本単位です。

自然界にはアミノ酸は500種類ほどあるんですが、タンパク質の構成要素となるアミノ酸はわずか20種類です。

このアミノ酸は人間の身体において「必須アミノ酸」と「非必須アミノ酸」に分けられます。

アミノ酸の分類
  • 必須アミノ酸(9種類):体内で合成されない(または合成されにくい)
  • 非必須アミノ酸(11種類):体内で合成される

3.1.アミノ酸の基本的な構造

アミノ酸の構造は、中心の炭素に、アミノ基(-NH2)とカルボキシ基(-COOH)が結合した構造となっています

上の図の黒い部分が、アミノ酸の共通部分でして、赤い部分が各アミノ酸で違う部分です。

20種類すべてのアミノ酸の構造式は下記の記事でまとめています。

それでは今回は以上です。

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