こんにちは、現役医療従事者のトッティ(totthi1991)です。
本記事では『睡眠に関する基礎知識』をまとめました。
これから睡眠のいろんなメソッドや方法論を実践する際に、前提として知っておくべき超基礎知識だと思います。
目次
1.睡眠の役割

基本的に私たちは、起きているときに異化作用、眠っているときに同化作用をおこなっています。
- 起きているときは異化作用がつよめ
- 眠っているときは同化作用がつよめ
異化作用:外部から取り入れた物質(有機化合物)を分解する反応のことです。
(例:食べ物を分解してエネルギーをつくりだしています)
同化作用:生体に必要な高分子を合成する反応のことです。
(例:エネルギーを使って身体に必要なたんぱく質などの物質をつくりだしています)
睡眠中は同化作用が強いので、
- 体の組織の再生(回復)
- 免疫力や骨・筋肉の成長が促進
- ホルモンバランスの調整
それでは具体的な睡眠の役割をみていきます。
1.1.脳と身体の休息
- 脳を休息させる
- 体の疲労を回復させる
1.2.記憶の整理
- 記憶の定着が進む
- 嫌な記憶を消去する
1.3.ホルモンバランスの調整
睡眠中には多くのホルモンが分泌や制御されています。
- 成長ホルモン → 若さを保つホルモン。細胞を新しくします。
- プロラクチン → 生殖や母性行動に関与。
- レプチン → 食欲を抑制するホルモン。寝ないと分泌が悪くなり肥満に。
- グレリン → 食欲を増すホルモン。寝ないと分泌が良くなり肥満のに。
- インスリン → 血糖値を調節するホルモン。寝ないと分泌が悪くなり糖尿病に。
1.4.自律神経の調節
自律神経は、体温、呼吸、消化など自分の意志とは無関係の身体のコントロールをしています。自律神経は、交換神経(昼間の活動時に優位になるモード)と自律神経(身体を休ませるためのモード)からなり、このバランスがくずれると、睡眠不足につながり、さらにそのせいでさらに自律神経が乱れて悪循環に陥ります。
1.5.免疫力の制御
十分な睡眠は、免疫力を向上させます。
1.6.脳の掃除(脳の休息)
睡眠不足は、脳の老廃物であるアルツハイマーβの蓄積がおこり、アルツハイマー病などの原因になります。
2.睡眠サイクル

睡眠中は、以下の2つのサイクルを繰り返しています。
- ノンレム睡眠(Non-REM sleep:脳と体の両方が眠っている状態)
- レム睡眠(REM sleep:脳は起きていて体は眠っている状態)
- 眠りはじめはまず、ノンレム睡眠が現れ、このときのノンレム睡眠がもっとも長く90分程度で深いです。
- 眠りは少しづつ浅くなり、レム睡眠が始まります。このときのレム睡眠が一番短く数分程度のこともあります。
- 睡眠はこの繰り返しで、明け方になるにつれてノンレム睡眠は短く浅く、逆にレム睡眠は長くなっていきます。
6~7時間寝る場合は、この睡眠サイクル(ノンレム睡眠⇒レム睡眠)を、第4周期まで繰り返すことになります。
2.1.ノンレム睡眠(Non-REM sleep)とは
ノンレム睡眠は、「脳も体も眠っている状態」になっています。
ですから、なかなか起こしにくく、無理に起こすと頭がすっきりしません。
脳波を測定すると、大きくてゆっくりした波が現れるので「徐波睡眠」とも呼ばれています。
2.2.レム睡眠(REM sleep)とは
レム睡眠は、「脳は起きてて、体は眠っている状態」になっています。
このとき、眼球が素早く動く「急速眼球運動」が見られるので、英語で「Rapid Eye Movement」。略して「REM」と名づけられました。
3.夢を見るのはレム睡眠中だけ?

一般的に夢を見るのはレム睡眠中だと思っている人が多いです。
しかし、実際にはノンレム睡眠中でも夢を見ることが分かっています。
それぞれ以下の特徴があります。
- ノンレム睡眠中:抽象的で辻褄が合わない夢(脳が寝ているのでめちゃくちゃ)
- レム睡眠中:ストーリーがあって実体験に近い夢(脳は起きているので具体的かつ合理的)
起きた直後に、寝ぼけた状態で場所や時間の整合性がとれないときはノンレム睡眠中に起きています。
一方レム睡眠は起きる準備という役割があるので、すっきりと起きられたらレム睡眠中に起きています。
まとめ
睡眠はとても大事なもので、睡眠の質が人生の質を決めるとまで言われています。
今回は睡眠に関する超基礎知識をお話ししました。これから睡眠の実践的なメソッドなんかを調べたりするときに、その前提知識として役に立つのではないかなと思います。
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