
こんにちは、現役医療従事者歴3年のトッティ(totthi1991)です。
炭水化物を制限してるとどうしても食べものに含まれる糖質の量ばかりに目がいき、とかく過度な糖質制限に走りがちです。
しかし、そこまで過度な糖質制限をする必要はありません。
むしろ、炭水化物のメリットとデメリットを把握したうえで、「どの食材から炭水化物を摂るか」が重要です。
例えば、下記の記事でも書いてるように、炭水化物の摂取源として「白米」はおすすめしていません。
結論をいうと、最強の炭水化物は「さつまいも」です。
本記事では、どうしてさつまいもが最強なのか、その理由を解説しています。
目次
糖質制限で、炭水化物の含有量が多いさつまいもを食べるのはありか?

炭水化物の摂取源として最強なのは「さつまいも」です。
たしかに、さつまいもの糖質量は白米と同じくらい含まれていてめちゃくちゃ多いんですが、にもかかわらずおすすめする理由があります。
- 理由①:血糖値が上がりにくい低GIな食品
- 理由②:ビタミンやミネラルなどの栄養素が豊富
- 理由③:白米やパンに比べて食物繊維が多い
- 理由④:レジスタントスターチが含まれてる
- 理由⑤:ヤラピンが含まれている
- 理由⑥:過度な糖質制限は危険
それでは一つずつみていきます。
理由① さつまいもは血糖値が上がりにくい低GIな食品です
さつまいもは血糖値が上がりにくい低GIな食品です。
GI値とは、食後の血糖値の上昇するスピードを表す指標のことです。
他の炭水化物の量が多い主要な食品のGI値を比較しますと、
- 白米:GI値 84~88
(玄米:GI値 55) - 食パン:GI値 91~95
- スパゲッティ:GI値 65
- うどん:GI値 80~85
- 十割そば:GI値 59
- さつまいも(生):GI値 55
という感じで、さつまいものGI値はかなり低めに抑えられています。
また、同じ芋類でもジャガイモのGI値は90、里芋と山芋のGI値は60~69と他の芋類に比べてもGI値は低いです。
GI値が低いさつまいもは脂肪になりにくい
GI値が低い食品は、血糖値の急激な上昇が抑えられるため、インスリンの大量分泌が抑えられ、肥満になりにくいです。
※ インスリンは脂肪合成を進める働きもあるため肥満の原因となります。
さつまいもの炭水化物の量は多いですが、GI値が低いので脂肪になりにくい糖質です。
ただし、後述しますがさつまいもは調理法によってGI値が大きく変動するので注意が必要です。
理由② ビタミンやミネラルなどの栄養素が豊富で準完全栄養食品ともいわれています
さつまいもは、ビタミンやミネラルなどの栄養素が豊富に含まれていて、準完全栄養食(準完全食)ともいわれています。
『準』とくつのは、タンパク質や脂質が少ないからだと考えられています。
さつまいも(生)に含まれる主な栄養素
栄養素 | 100gあたりの含有量 |
---|---|
カロリー | 132kcal |
タンパク質 | 1.2g(60g) |
脂質 | 0.2g |
炭水化物 | 31.5g |
食物繊維 | 2.3g(20g以上) |
ビタミンE | 1.6mg(6.5mg) |
ビタミンB1 | 0.11mg(1.4mg) |
ビタミンB6 | 0.28mg(1.4mg) |
ビタミンC | 29mg(100mg) |
ナイアシン | 0.8mg(15mg) |
葉酸 | 49μg(240μg) |
パントテン酸 | 0.96mg(5mg) |
カリウム | 470mg(2,500mg) |
マグネシウム | 25mg(370mg) |
カルシウム | 40mg(650mg) |
参考:旬の食材百科
※ ( )内の数字は、日本人食事摂取基準(2015年版)における男性(30~49歳)の一日の推奨量(あるいは目標量、目安量)です。
残念ながらビタミンDやビタミンKはほとんど含まれていませんが、全体的に栄養バランスに優れていて、特に赤字で書かれてる栄養素はそれなりの量が含まれています。
さつまいもに、それなりの量が含まれてる栄養素
- 食物繊維
- ビタミンE
- ビタミンC
- パントテン酸
- カリウム
- カルシウム
ですので、不足しがちなビタミンやミネラルなどの栄養素をバランスよく補給するのに丁度いいかと思います。
※ ただ、さつまいもには単純計算で、白米なみに糖質を含んでいるので、くれぐれも食べすぎには注意しましょう。
意外にも、さつまいもにはビタミンCが結構入ってまして(芋類の中でトップ)、ビタミンCの抗酸化力が、シミやそばかすの予防に効果があります。
また、ビタミンEと並んでアントシアニンやクロロゲン酸といった抗酸化作用の強い成分が豊富に入っていますから、これもアンチエイジングに役立ちます。
理由③ 白米やパンなどに比べて食物繊維が多い
100gあたりの食品の食物繊維の量の比較
- 白米:0.3g
- うどん:0.3g
- 中華麺(ゆで):1.3g
- 玄米:1.4g
- そば(ゆで):2.0g
- 食パン:2.3g
- さつまいも:3.8g
上記のとおり、他の主食に比べて食物繊維の量が多いです。
食物繊維には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維に分けられますが、さつまいもには、不溶性の不溶性食物繊維のほうが多く含まれています。
理由④ レジスタントスターチが含まれている
レジスタントスターチとは、胃や腸で消化されないでんぷんのことで、糖質でありながら食物繊維と同じような働きをします。
- レジスタント:消化されにくいという意味
- スターチ:でんぷんという意味
レジスタントスターチは糖質でありながら、胃や腸で消化されないため、大腸にまで届き腸内細菌のエサとなり、腸内細菌を増やします。
レジスタントスターチの効果
- 便通が良くなる
- 血糖値の上昇を抑える
- 腸内環境が整うため、美肌などのアンチエイジング効果あり
といった効果が期待できます。
ちなみに、100gの蒸したさつまいもの中に含まれる糖質はおよそ30gですが、このうち10%がレジスタントスターチです。
不溶性食物繊維は便の量自体を増やし、水溶性食物繊維は腸の蠕動運動を促進したり、便を柔らかくする効果があります。
これにより、便通が良くなります。
理由⑤ ヤラピンが含まれている
さつまいもを切ったときに、切り口に白い液体が出てきますが、これは「ヤラピン」という成分です。
これはさつまいもにしか含まれていない成分で、昔から緩下剤として使われていました。
とくに、さつまいもの皮周辺にヤラピンが多いので、皮ごと食べることをおすすめします。
理由⑥ 過度な糖質制限は危険
糖質制限と聞くと、糖質は悪いもので徹底的に制限しなければならないと思い、過度に制限する人もいると思いますが、それは結構危険です。
過度な糖質制限によって、当然血糖値は下がっていきますが、下がりっぱなしでいいのかというとそんなことはありません。
私たちが生きていくために、最低限度の血糖値を保っておく必要があります。
ですので、下がった血糖値を補うため、自分自身の身を削って血糖に変換して血糖値を上げようとします。
そのときに血糖の材料となるのがグリコーゲンや筋肉です。
グリコーゲンは、人体における糖の貯蔵形態で、こちらが消費されて血糖に変わるんであればいいんですが、残念ながらそこまでグリコーゲンの備蓄量は多くありません。
グリコーゲンが枯渇すると、最終的に筋肉の分解による血糖の生成に頼らざる負えなくなります。
これを専門的には糖新生といいます。
筋肉量の低下は、そのまま代謝の低下につながり、太りやすい身体になるのでおすすめしません。
食後2~3時間たち、血糖値が食前の値近くになると、グルカゴンやアドレナリンなどによって肝臓に蓄えられているグリコーゲンが分解されて、血中にグルコースが補給されます。
さらに絶食状態が継続すると、肝臓のグリコーゲンは枯渇し、血中へのグルコースの供給源は糖新生へと切り替わります。
というわけで、筋肉量を減らさないために糖質制限をしていても、炭水化物はある程度摂ることを推奨いたします。
とはいえなんでもいいかというとそんなことはなく、できるだけ低GIで、かつ栄養素が豊富に含まれてる炭水化物を選ぶべきです。
とくにおすすめなのが「さつまいも」というわけです。
糖質制限でも大丈夫。炭水化物が多いさつまいもを賢く食べる方法

ここではさつまいものおすすめの食べ方を紹介します。
さつまいもは、調理法によってGI値が大きく変動しますので、可能な限りGI値を低く抑えた調理をするのがポイントになります。
冷やしさつまいもが最強です
結論をいうと、冷やしさつまいもが最強です。
理由は以下の2つ。
- 理由①:冷やすとGI値が下がる。
- 理由②:冷やすとレジスタントスターチが増える。
さつまいもは冷やすとGI値が下がります。
さつまいもは、冷やすとレジスタントスターチの量が増えます。
100gあたりの蒸したさつまいもと、蒸した後冷やしたさつまいものレジスタントスターチの量を比較すると、
- 蒸したさつまいも:1.85g
- 蒸した後、冷やしたさつまいも:2.13g
という風に、若干ですがレジスタントスターチの量が増えます。
消化されないレジスタントスターチが増えますので、結果としてGI値も下がります。
焼き芋は高GI食品なので避けましょう
生のさつまいものGI値は55と低いんですが、焼き芋にすることでGI値が90くらいまで一気に跳ね上がります。
GI値 | |
---|---|
さつまいも(生) | 55 |
焼き芋 | 94±8 |
さつまいも(茹で) | 46±5 |
さつまいも(干し) | 55 |
さつまいも(炭焼き) | 82±5 |
さつまいも(油揚げ) | 76±7 |
このように、さつまいものGI値は調理法によって大きく変動するので注意が必要です。
GI値を低く抑えつつ、レジスタントスターチの量を増やすために、お湯で茹でた後、冷蔵庫で冷やすのがベストです。
冷蔵庫で最低2時間は冷やしましょう。
というわけで、最後にさつまいもが最強な理由をまとめます。
- 理由①:血糖値が上がりにくい低GIな食品
- 理由②:ビタミンやミネラルなどの栄養素が豊富
- 理由③:白米やパンに比べて食物繊維が多い
- 理由④:レジスタントスターチが含まれてる
- 理由⑤:ヤラピンが含まれている
- 理由⑥:過度な糖質制限は危険
上記のように、さつまいもを選ぶべき多くの理由があります。
ですので、炭水化物をある程度摂りたいんだけど、何がいいか迷ってる人には、圧倒的に「さつまいも」をおすすめします。
ということで今回は以上です。