Appleが、従業員にプライマリケア(総合診療)を提供するためのAC Wellnessという医療クリニックを開設する計画だと報じられている。
~中略~
AC Wellnessは「Apple従業員に心のこもった効果的なヘルスケアを提供するための独立した専用医療機関」で、2018年春に開設予定だという。
YAHOO!JAPAN!ニュース:アップル、従業員向け医療施設「AC Wellness」を開設へ
また、Amazonでも同様の動きをしていて
Amazonは米国時間1月30日、Warren Buffett氏率いる大型複合企業Berkshire HathawayおよびJamie Dimon氏率いる大手金融機関JPMorgan Chaseと提携する計画を発表した。3社は、米国で雇用する数十万人の従業員のヘルスケアに専門的に取り組む、独立した企業を新たに設立する。
YAHOO!JAPAN!ニュース:アマゾンら3社ヘルスケア企業を設立へ–医療費の削減を目指す
このように最近になってアメリカの大企業が従業員のヘルスケアに関心をもっています。
これらの背景にはアメリカの医療問題もあるが・・・
米国の医療は、医師や看護師不足から人件費が高騰していて、保険が適用されなければ救急車の搬送だけで30万円もかかります。
治療や入院費はさらに高く、これをカバーするための健康保険費も高いです。
そういった医療問題をなんとかしたいというのが背景にはもちろんあると思います。
しかし今回の話しは、AppleやAmazonが病院や保険制度をつくろうとしているのではなく、
「従業員のためのヘルスケア」
というところがポイントだと思います。
病気の治療ではなくそのまえ段階である日々の健康の維持と増進が目的なんだということです。
人生100年時代に突入
テクノロジーの進歩によって、今の20代や30代は100歳くらいまで生きるといわれています。
リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット著『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』という本では無形資産が重要だといっています。
(これは有形資産の対比としてつかわれていて、有形資産はお金や家や土地などのお金に関係するもののこと。対して無形資産は目に見えないもののことです)
この無形資産には3つあり、「生産性資産」「活力資産」「変身資産」です。
このなかで「活力資産」のみを紹介します。
活力資産
肉体的・精神的な健康と幸福のこと。健康、友人関係、パートナーやその他の家族との良好な関係など。幸福感と充実感をもたせ、やる気をかき立て、前向きな気持ちにさせる
要するに、人生は100年もあるので、長く元気に生きていくためには心身ともに健康であることが非常に重要だということです。
まぁ当然ですよね。もちろん本人が望んでそうなるわけではない「認知症」や「体の不自由による寝たきり」になってしまうと、本人がいくら頑張っても人生を楽しむことは難しいです。
医療の現場で働いていると常にこの問題には考えさせられます。
やはりこれからの時代は「予防医学」「健康管理によるパフォーマンス向上」が発展してくる予感
これらのことを考えると、そもそも病気にならないことが長い人生を生きていくうえで絶対条件になってくるのは間違いありません。
ただ、僕が考えるのはそれだけでなく、病気になっていない状態というだけの健康だけで満足してはいけないということです。
最初のニュース記事でもふれたように、世界トップ企業が医療分野に強い関心をよせています。
医療というと、病気を治すということだけをイメージしがちですが、AppleやAmazonが取り組もうとしているのは病気になる前の段階の病気の予防です。
そして当然その先の、「健康管理による個人のパフォーマンス向上」も視野に入れていると思います。
AppleやGogleなどの欧米の大企業で「瞑想」を企業研修に取り入れて、仕事のパフォーマンス向上を狙ってやるくらいですし、そのくらいのことは当然考えているはずです。
健康は目的ではなく手段
このように自分の人生を楽しむために健康であることは絶対条件です。
そして健康というのは、ただ単に病気でない状態ということではなく、やりたいことをやるモチベーションが沸き上がってきたり、集中力が向上したりと日々の活力を得ることができる状態まで含める必要があります。
そのために、「食事」「睡眠」「運動」などが特に大事で、食事だけをとってみても様々な方法が世の中にはあります。
もちろん間違っているものも多いですし、個人によってあうあわないもあります。
大事なことは1つの意見にこだわらず、幅広く知識を集めようとする意識だと思います。そして自分の身体と真摯に向き合うことだとです。
最終的な目的である、人生の充実度を上げるための手段として健康を利用しましょう。
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