代謝に欠かせない8種類のビタミンB群、その種類と役割のまとめ

「ビタミンB群の役割や活性型の種類をまとめて知りたい!」

本記事では、エネルギー生産の代謝に欠かせないビタミンB群の役割や、その活性型の種類をまとめています。

本記事の内容

  • ビタミンB群の種類
  • ビタミンB群の役割
  • ビタミンB群の活性型の種類

本記事執筆に際し参考にしたサイト:
https://totthi.com/wp-content/uploads/2019/01/c9cf3a68a3140649fe753dbf57d39483.pdf

1.代謝に欠かせないビタミンB群の種類のまとめ

ビタミンB群は、ビタミンB1、B2、B6、B12、ナイアシン、葉酸、パントテン酸、ビオチンなどの総称の呼び名です。

ビタミンB群の種類

  1. ビタミンB1(チアミン)
  2. ビタミンB2(リボフラビン)
  3. ナイアシン(ビタミンB3
  4. ビタミンB6
  5. ビタミンB12
  6. パントテン酸(ビタミンB5
  7. 葉酸(ビタミンB9
  8. ビオチン(ビタミンB7

2.ビタミンB群の役割【代謝の補酵素として重要です】

順を追って、それぞれのビタミンB群の簡単な役割と活性型を説明します。

2.1.ビタミンB1(チアミン)の役割

ビタミンB1(チアミン)の主な役割は以下のとおりです。

  1. 糖質の代謝
  2. タンパク質の代謝

食品中にビタミンB1(チアミン)は、以下の3種類のチアミンリン酸エステルとして含まれています。

  1. チアミン1リン酸(TMP)
    →チアミンにリン酸が1つ結合
  2. チアミン2リン酸(TPP、またはTDP)
    →チアミンにリン酸が2つ結合
  3. チアミン3リン酸(TTP)
    →チアミンにリン酸が3つ結合

食品中に含まれる上記3種類のチアミンリン酸エステルは、消化管内のホスファターゼの作用により加水分解されてビタミンB1(チアミン)になって吸収され、体内で再びリン酸化され、リン酸エステルとなります。

私たちの体内では、チアミンに二つのリン酸が結合した補酵素となるチアミンピロリン酸(TPP、またはTDP)がもっとも多く、活性型ビタミンB1と呼ばれています。

とくに重要なビタミンB1の役割は、糖質の代謝に必要な酵素の補酵素としての働きです。

2.2.ビタミンB2(リボフラビン)の役割

ビタミンB2の主な役割は以下のとおりです。

  1. 糖質の代謝
  2. 脂質の代謝
  3. タンパク質の代謝
  4. 酸化反応を行う各種酵素の補酵素として

ビタミンB2は、7,8-ジメチル-10-リビチルイソアロキサジンの構造をもつ化合物です。

体内に吸収されると、補酵素として働くFAD(フラビンアデニンジヌクレオチド)またはFMN(フラビンモノヌクレオチド)に変化します。

FAD、FMNはそれぞれ、ビタミンB2から細胞内でフラボキナーゼとFAD合成酵素によりつくられます。

体内では主にFADの形で存在しています。

FADとFMNの両者とも、主に三大栄養素の「糖質・脂質・タンパク質の代謝」の補酵素として働き、エネルギーである「ATP」の産生深く関わっています。

とくに重要なビタミンB2の役割は、脂質の代謝に必要な酵素の補酵素としての働きです。

ビタミンB2に、リン酸が結合したものがFMNです。
FADは、FMNにさらにアデニン、リボース、リン酸が結合したものです。

2.3.ナイアシン(ビタミンB3)の役割

ナイアシン(ビタミンB3)の主な役割は以下のとおりです。

  1. 糖質代謝
  2. 脂質代謝
  3. タンパク質代謝
  4. 脱水素反応や還元反応を行う各種酵素の補酵素として

ナイアシンは、ニコチン酸とニコチン酸アミドの総称です。

これらから、活性型のナイアシンであるNAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)、あるいはNADP(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸)が合成されます。

また、トリプトファン(タンパク質=アミノ酸)からも活性型ナイアシンは合成でき、合成にはビタミンB6、亜鉛、銅などが必要です。

とくに重要なナイアシンの役割はエネルギー代謝、つまりATP産生です。

これを直接担うのは、活性型のナイアシンであるNAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)、あるいはNADP(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸)です。

NADやNADPは体内でもっとも多く存在する補酵素です。
その役割も特に重要で、約500種類の酵素の補酵素として働きます。
具体的には、糖質、脂質、たんぱく質の代謝過程で必要な酵素(酸化還元酵素、脱水素酵素)の補酵素としてATP生成に深く関与しています。

2.4.ビタミンB6の役割

ビタミンB6の主な役割は以下のとおりです。

  1. 糖質の代謝
  2. 脂質の代謝
  3. タンパク質の代謝
  4. 神経伝達物質(ドーパミン、アドレナリン、セロとリンなど)の代謝
  5. グリコーゲンの代謝

ビタミンB6は、以下の6種類の化合物の総称です。

  1. ピリドキシン(PN)
  2. ピリドキサール(PL)
  3. ピリドキサミン(PM)
    上記のリン酸エステル型である
  4. ピリドキシン-5′-リン酸(PNP)
  5. ピリドキサール-5′-リン酸(PLP)
  6. ピリドキサミン-5′-リン酸(PMP)

体内においてビタミンB6は、ピリドキサール-5′-リン酸(PLP)、ピリドキサミン-5′-リン酸(PMP)の形で多く存在し、100種類以上の酵素の補酵素としての役割があります。

とくに重要なビタミンB6はの役割は、タンパク質の代謝に必要な酵素の補酵素としての働きです。

タンパク質の摂取量に応じて、ビタミンB6の必要量が増えます。ですので糖質制限をしてタンパク質の摂取量が増えた場合、サプリメントで補充するのをおすすめします。

2.5.ビタミンB12の役割

ビタミンB12の主な役割は以下のとおりです。

  1. 脂質の代謝
  2. タンパク質の代謝
  3. 赤血球の形成
  4. メチオニンの合成
  5. 核酸合成
  6. プリビオン酸の合成

ビタミンB12はコバルトを含む以下の化合物の総称です。

  1. ヒドロキソコバラミン
  2. アデノシルコバラミン
  3. メチルコバラミン
  4. シアノコバラミン
  5. スルフィトコバラミン

ビタミンB12の活性をもつのは、コバルトに水酸基が結合したヒドロキソコバラミン、メチル基が結合したメチルコバラミン、5′-デオキシアデノシンが結合したアデノシルコバラミンです。

体内では主に、アデノシルコバラミンとメチルコバラミンが酵素作用を示します。

2.6.パントテン酸(ビタミンB5)の役割

パントテン酸の主な役割は以下のとおりです。

  1. 糖質の代謝
  2. タンパク質の代謝
  3. 脂質の代謝
  4. コレステロールの合成

パントテン酸は、補酵素A(CoASH、あるいはコエンザイムA(CoA))やホスホパンテテインなどの構成成分として、重要な働きをしています。

体内のパントテン酸のほとんどは、補酵素Aとして存在し、三大栄養素である糖質、脂質、タンパク質すべての代謝に関与しています。

とくに、補酵素Aのアセチル化体のアセチルCoAは、クエン酸回路へエネルギー源を供給する物質として重要です。

補酵素A(CoASH、あるいはコエンザイムA(CoA))とは、体内で重要な補酵素の一つで、パントテン酸、チオエタノールアミン、リン酸(2分子)、リボース、アデニンで構成されています。
アセチルCoAとは、補酵素Aにアセチル基(-COCH3)が結合した化合物のことです。

2.7.葉酸(ビタミンB9)の役割

葉酸(ビタミンB9)の主な役割は以下のとおりです。

  1. タンパク質の代謝
  2. 核酸の原料(プリン塩基(アデニン、グアニン)、ピリミジン塩基(そのうちのチミン))の合成
  3. メチオニンの合成
  4. 赤血球の形成
  5. ビタミン代謝

葉酸は、プテロイルグルタミン酸とも呼び、パラアミノ安息香酸とグルタミン酸が結合した構造をもっています。

通常の食品中には、ほとんどがポリグルタミン酸型の葉酸(複数のグルタミン酸が結合した型)として含まれていて、加工食品でははモノグルタミン酸型の葉酸(グルタミン酸が一つ結合した型)として含まれております。

  1. 食品中 → ポリグルタミン酸型の葉酸
  2. 加工食品 → モノグルタミン酸型の葉酸

食品から摂取したポリグルタミン酸型の葉酸は、消化管の酵素によって消化され、モノグルタミン酸型の葉酸となったあと、わたしたちの体内に吸収されます。

さらにモノグルタミン酸型の葉酸は、体内で還元されてテトラヒドロ葉酸(THF)となり、私たちの体内で補酵素として働きます。

2.8.ビオチン(ビタミンB7)の役割

ビオチン(ビタミンB7)の主な役割は以下のとおりです。

  1. 糖質の代謝
  2. 脂質の代謝
  3. タンパク質の代謝

ビオチンは4種のカルボシキラーゼ(①ピルビン酸カルボキシラーゼ、②アセチルCoAカルボキシラーゼ、③プロピオニルCoAカルボキシラーゼ、④メチルクロトニルCoAカルボキシラーゼ)の補酵素としての役割があります。

これら4種のカルボキラーゼは、糖新生、脂肪酸合成、アミノ酸代謝などと関係しているので、エネルギー代謝において重要です。

しかし、ビオチンは色んな食品に含まれており、また腸内細菌によっても合成されるため欠乏症となることは稀です。

 

 

というわけで今回は以上です。